「空気の器の本」(トラフ建築設計事務所)です。
目黒区美術館出展作家の6種類のカタログといっしょにkatsuraさんにお借りしました。
昨日紹介したのとは違ういろんなバージョンがあります。
本の写真で見てもこれだけ美しい器たち、美術館での展示はさぞすばらしかったことでしょう。
子どもたちのワークショップや完成形の金型を作る前に、いろんな幅や長さで手でカットして試行錯誤したようすなども書かれています。
紙の厚さや重さはもちろん、切込みの形状や間隔などを細かく調整し、最初は10mmの間隔で同心円状に切込みを入れていくところから始まり、最終的には切込み間隔の限界値とされる0.9mmで制作されたそうです。
間隔を細かくしたことで自重が軽減され、しなやかでありながら張りと強度が増し、自立する形ができあがったとか、苦心の過程がしのばれます。
「PAPER-紙と私の新しいかたち-展」に出展していた作家のそれぞれのカタログ、統一された形とデザインですが、それぞれの作品がアップで紹介されていて6種類あります、蛇腹折りになっていて、裏に要綱などが文章が書かれています。
以下、空気の器ほかの作品をカタログのアップの写真で紹介します。
トラフ建築設計事務所 《空気の器》
槇原亮輔と渡邊良重 《時間の標本》2007年
西村優子 《organic》2006年
DRILL DESIGN 《geografia地軸23.4度[ブランク]組み立て式地球儀》2009年
寺田尚樹 《テラダモケイ1/100建築用添景セットNO.18公園篇2》
鈴木康広 《キャベツの器》2004年
紙は、身近な造形素材の一つです。豊富な種類、特性や表情、その可能性は、美術、建築、デザインなど、幅広い分野で作り手たちの創造力を刺激し続けています。
(中略)
本展で紹介する作品は、造形的な美しさがあるだけでなく、紙本来の性質をしっかり示しながらも、より親密に私たちに働きかけてくる‘何か’が感じられます。紙と私たちの新しい関わりかたを示してくれてもいるでしょう。
本展が、今日の私たちと紙との関係性を探るひとつの試みの場となると同時に、これからの紙と私たちのあり方を考えていくきっかけのひとつになれば幸いです。
(目黒区美術館)
この「PAPER-紙と私の新しいかたち-展」は東京都目黒区美術館で9月8日(日)まで(月曜日休館)ひらかれています。