チハルだより

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葬儀

2007-02-03 | Weblog



頬杖をついたまま、テレビをぼんやり見るうちに、
うとうとされていたのでしょうか、
そのまま眠るように彼の世へ旅立たれた人の
急なお通夜とお葬式で、
昨夜と今日は、
神戸の街へ行ったり来たり。

くりあげ初七日まで終えた式の帰り道、
高速道路の車窓から
100万ドルの夜景をながめながら考えました。

書く仕事をはじめてから、
したためておいた遺言状に、
葬式はいらへんよ、
墓にも入りたないしなー、
叶うなら、
そこらへんの山のこやしになりたいよ、などと書き、
それは、日ごろから、つれあいにも
言ってきたことでした。

最近では、
樹木葬もいいよねぇ、
と話してみたり。


けれど、今日、
親戚、ご近所、
おとなもこどももこぞって集まり
突然の別れに泣いたり、思い出に笑いあったり、
やりきれない思いをぶつけあったりする
時間のなかですごすうち、
ああ、葬儀って、
亡くなった方の魂を
お弔いするだけじゃあないんだな、
遺されたものたちの
気持ちの整理をつけていくための
儀式でもあるのだと、
納得するものがあったのでした。

すると、わたしの遺言は、
身勝手なものなのかもしれないなぁ。

「あとのことはすきなようにしてちょうだい、
って書き換えようか?」

たずねるわたしに、
となりでハンドル握るつれあいは、
なぜか笑っていたような。


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