美大を受けるつもりもなかったのに、10代で絵画研究所に1年通った。
田園調布にあったその塾は、受験用というより
どちらかというと、年配者の「趣味」的なサークルのようだった。
のんびりした雰囲気が好きで日曜日になるとスケッチブックを抱え通った。
デッサンも習ったが、先生の「絵画の見かた」の話が好きだった。
受験のための習い事ではなかったせいか絵の具の匂いは今でも好き。
夕方、大型文具店の中で、誘い込まれるように絵の具売り場に迷い込み
一瞬で10代のあの日のわたしに戻った。
高層ビルなんてどこにもなく、空はどこまでも高く、蒼く…
帰り道、必ず立ち寄った喫茶店のコーヒ‐の香り、東横線の車窓から見た多摩川に沈む夕日、
半世紀、50年なんてあっという間…でもないか、かなりのボリュームです。