今日の午後、うだるような暑さの中、冷蔵庫が空っぽなので買い物に出た。
観光客でごった返す小町道りを横切りスーパーに向かったその時、
杖を片手にたたずむ老女(差別用語になるのですか?)が目に入った。
小刻みに震えている。
「どちらに行きたいのですか?」と声をかけた。
「稲村の自宅に帰りたい、タクシーに乗りたい」と言った。
片腕をとって歩こうとしたが、足が全く動かない。
数日前まで大腿部の骨折で入院していたそうだ。
それで小町に買い物・・・、呆れてしみじみお顔を見た。
後悔の表情がありあり。
私もいつかこうなるなー、そんな思いで一歩一歩歩を進めた。
「大丈夫ですか?」観光のお客さんが数人声をかけてくれた。
「脱水症かもしれない」と一人の方が言う。
ペットボトルを差し出してくれる人、扇子で仰いでくれる人6,7人の塊が
そこのけそこのけ状態で朱の鳥居のたもとに。
私はタクシー乗り場に飛んで、行列にならんだ。
15分ほどして老女の前にタクシーを着けた。
それからのことは省略しますが、人の情は捨てたもんじゃない。
問題は主役の方だ。
どうも事の重大さをわかっていない。
立っているのもやっとなのに、いくら往復タクシー使うとしてもですよ、
紫陽花観光季節の小町通りに、御煎餅を買いに来ることないでしょう。
頑固になるのですね、思いも行動も、歳とると。
一人暮らしだそうですが、くれぐれも気を付けてくださいね。