自燈明

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五十四番 儀同三司母

2014年06月15日 | 百人一首
忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな

いつまでも忘れまい、とおっしゃるそのお言葉が、遠い将来までは頼みにし難いので、そのお言葉のあった今日という日を最後とする私の命であってほしいものです。

忘れじの いつまでも忘れまいとの。「忘れじ」は、いつまでも変わらぬ愛を約束した夫の言葉。「じ」は、打消しの意志を表す。「の」は連体修飾格の格助詞。
行く末 将来
かたければ 難しいので。形容詞「かたし」の已然形に、接続助詞「ば」がついて、確定条件を表す。「忘れじ」と約束した相手の言葉が変わらずに実行されるとは、自分にとっては予想され難い、とする。
今日を限りの命 今日を最後として死んでいく命。「今日」は、夫が「忘れじ」と言ってくれた、その日のこと。
ともがな 「と」は引用の格助詞。「もがな」は願望の終助詞。

ぎどうさんしのはは (?~996)
高階成忠の娘で名は貴子。藤原道隆の妻。儀同三司(伊周)、隆家、定子(一条天皇の中宮)の母。
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