自燈明

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五十六番 和泉式部

2014年06月19日 | 百人一首
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな

私は、そう長くは生きていないでしょう。あの世へ行ったときの思い出のために、もう一度あなたに抱かれたいものです。

あらざらむ 生きていないであろう、の意。下の「この世」を修飾する。「あら」はラ変動詞「あり」の未然形。「む」は、推量の助動詞「む」の連体形。
この世のほかの 「この世」は現世。「この世のほか」は、現世の外、すなわち、来世・死後の世界。
思ひ出 来世において思い出されるであろう現世の出来事。
今ひとたび もう一度。切実な言い方である。
逢ふこともがな 「逢ふ」は、男女が逢うこと。「もがな」は、願望の終助詞。・・・であったらなあ、の意。実現の難しそうな事柄について多く用いられる。

いずみしきぶ (978~?)
大江雅致の娘。古式部の母。一条天皇の中宮彰子に仕える。「和泉式部日記」の作者とされる。
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