うさぎとかえるの里

鳥獣戯画をこよなく愛する自分の日本文化や日常に関する想いをつづります。

婆娑羅。

2012-01-08 22:53:31 | 読書


婆娑羅大名といえば、京極(佐々木)道誉!!

昔から大好きな大名で、北方謙三さんとか、山田風太郎さんの書いた道誉も読んできました。

今回のは、道誉とはいいながらも、太平記全体をカバーしたような小説というか
歴史書で、太平記好きの私には本当にたまらない本でした。

楠木正成、大塔宮、後醍醐天皇、そして足利尊氏と直義。

後醍醐天皇や、尊氏亡き後の後村上天皇時代の南北朝の戦いまで書いてくださっているのが
なんとも有難く、嬉しいのでした。

最近、逆説の日本史と北畠顕家の「破軍の星」を読みなおしたせいか、
なんだか義良親王(陸奥守北畠顕家と多賀城へ下った)が、数多くの兄弟たちの死によって
後醍醐天皇の後の後村上天皇として即位し、
後醍醐天皇の遺言のために、京都を奪還しようと、吉野を出たり、賀名生まで引っ込んだりしている
姿はなんだか痛々しい。

幼いころ顕家と一緒に東北から上京して、京都で尊氏を打ち破って九州まで敗退させたこともある人なのに…。

そして楠木正成の子供(一族)も忠義に篤く、この時代の遺言の絶対さを感じさせる。
また吉野あたりへ、太平記の足跡をたどる旅がしたい。

そして今度こそ、大塔宮が陣を張った信貴山奥の院まで歩いて、汗かき毘沙門天を拝みつつ、
あの前回見かけた御陵のが何なのか調べたい。

太平記の世界は本当にいろいろと考えさせられる。

日本の天皇制とは何か。
それは太平記の頃と幕末でとみに考えさせられる。

それがあるから日本は戦ってもひとつの民族でいられるんだと思うが、それにしても不思議だ。
コメント
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