両国回向院で開催中の「善光寺出開帳」にお参りしてきました。
戦後初の出開帳と言うことで、今回は東日本大震災の復興支援が目的です。
善光寺からは、ご本尊の秘仏、阿弥陀如来様の代わりに「出開帳仏」がいらしています。
絶対秘仏のご本尊の他、七年に一度開帳される「前立本尊」、そして今回の「出開帳仏」と、三尊阿弥陀如来像は三体あるわけです。
灯されている灯明も、善光寺から分けてもらった、阿弥陀如来の体から放たれ、今も灯っているという常燈明から分けてもらったものだそうです。
お戒壇巡りや、びんずる尊者さんも来ていて、小さい頃から幾度となく、信州善光寺に(家が近いというだけで)お参りしていた私は懐かしくなりました。
回向柱は、岩手陸前高田の杉が使われているそうです。
無宗派で広く民衆を受け入れてきた善光寺と、十万人以上が亡くなった江戸時代の明暦の大火をきっかけに、無縁の人々を弔う為に建てられた回向院。
そして2年前に多くの命が失われた東日本大震災、これらが繋がったのが本当に奇跡のように感動しました。
…と、いうのも、至るところで僧侶の方が、展示品の説明をしてくださって、勉強できたからこそ感じたのかもしれません。
何事もやはり「知る」ことから色々と生まれてくるんだなぁ。
回向柱の下では、何故か猫がのんびりしてました。
回向院には、動物の供養塔もあるし、動物にも居心地いいのかもしれません。
今回、被災地からの仏様ということで、流されて奇跡的に発見された仏様なども来ていらっしゃるのですが、中でも、震災までは秘仏だったという、陸前高田金剛寺の如意輪観世音菩薩はあまりにもお顔も姿も美しくて見とれてしまいました。
善光寺からの出品文化財も聖徳太子孝養像や、善光寺縁起絵、善光寺開山の本田善光ら三卿座像など見所満載。
改めて、日本仏教伝来以来からの阿弥陀如来と善光寺の関わりを再認識できます。
最後は、近所にいながら今回初めて入った回向院本堂に驚きました。
ご本尊の他、壁にはまるで平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩のような美しい像が何体も私たちを見下ろし、堂の四方には、これまたかなり繊細な造りの四天王像が立ち、本堂を守護しているという…。
近所と言うだけで参拝した出開帳ですが、かなりの収穫を頂いて参りました。
感謝。