烏丸通りをさらに南下し、ホテル日航プリンセスの前の道を入って、平等寺へ。
こちらを訪れるのは初めて。
京都冬の旅のパンフレットを見るまで、知らなかったお寺です。
観光寺院ではなく、地元の方の信仰を集めてお参りされてきた感じです。
住宅やビルの間にひっそりとありました。
こちらのお寺は、平安時代の橘行平が因幡国(鳥取)で海難した際、救ってくれた流木が
薬師如来で、その後帰京した行平を追って、薬師如来が飛来し、それを祀ったという面白いいわれがあります。
鳥取から飛んできたため、こちらの薬師如来には台座も光背もありません。
四角い台座の上に乗っています。
また、市中にあるため、数々の戦火を逃れる為に信仰する人々がこの薬師如来を避難させたのか、
頭には頭巾をかぶっている姿も、愛され、護られてきたんだなぁと思われます。
ちなみに、この薬師如来は日本三如来の一つだそうです。
収蔵庫には、鎌倉時代のりりしい顔つきの如意輪観音像、清涼寺式の釈迦如来立像、本堂内陣には十二神将、
また、高倉天皇と小督局ゆかりの品などもあって、見どころは多いです。
現在の建物は明治時代の再建だそうですが、密教系で護摩を焚くためか、本堂内は程よく黒くすすけて、
重厚感を醸し出しています。教わらなかったら、明治時代なんて思わなかったと思うくらい古い趣が…。
平等寺よりも、因幡薬師として親しまれているそうで、まだまだ私の知らない京都がたくさんあるなぁ、
と嬉しくなりました。