今回の主たる目的は春日神社にある石大工・嗽楽の石燈籠を見ること。
画像は門内正面にある明治5(1872)年、三代目嗽楽(落款なし)の六角型石燈籠だ。
重厚感はあるが、中台に請花と竿受けに嗽楽として今まで見たことのない複弁蓮華文が彫られている。
それ以外中台に格狭間は彫られているが飾り彫りはなく、火袋も鍔付きの円窓だけのシンプルなものだ。
今井町並み散歩マップを見ると集落内では稱念寺を含め三つの寺、
そして八幡神社と春日神社の二神社がある。
稱念寺を境内地として発達してきた「寺内町」だ。
江戸時代初期に再建された稱念寺は、今平成の大修理が行われている。
八幡神社は画像の春日神社と比べ、小さな神社である。
先日、奈良市埋蔵文化財調査センターで高校生の遺物整理実習があり、
30名余りが3グループに分かれてそれぞれ遺物マーキング、洗浄、古代瓦の拓本採取実習が行われた。
「将来考古学に興味を持ってくれたら…」と思いながら拓本採取の手伝いをした。
考古学の基本は観察、比較、記録であるが、彼らの将来に於いてもこの三要素が必要な時もあるだろと思う。
終わって全体で礼を述べてくれたが、個人で「有難うございました」と言ってくれた生徒が二名いた。
きっといい家庭教育がなされているのだろうと思うと「ほっと」した。