動物の世界にも人間と同じくディアスポラが存在する。ディアスポラとは民族離散。故地を離れ、別の土地に移り住んだ人間を指す。
これは動物にも当てはまる。
動物がディアスポラになる理由は大きく、以下のようなものがある。
・人間によって故意に持ち込まれるケース(害獣駆除や食用家畜(ペット)やゲームフィッシング)
・自然環境の変化で移動したケース
・人間の活動によって自然環境が変化し、離散、孤立してしまったケース
・人間の移動に付随したケース
1. 人間によって故意に持ち込まれるケース
人間によって持ち込まれた所謂「特定外来生物」は幅広く、上げればキリがない。
例
・ウシガエル ・アメリカザリガニ ・コクチバス(ブラックバス) ・ブルーギル ・アリゲーターガー ・アメリカナマズ ・ミシシッピアカミミガメ(緑亀) ・カミツキガメ ・ワニガメ ・アライグマ ・マングース 等
食用家畜
ウシガエル コクチバス(ブラックバス) ブルーギル アメリカナマズ
愛玩家畜(ペット)
アリゲーターガー ミシシッピアカミミガメ(緑亀) ワニガメ カミツキガメ アライグマ
害獣などの駆除
マングース。
これはインドから、ハブやネズミ駆除の為に日本の沖縄に持ち込まれた。1910年であった。しかしハブ駆除には役に立たなかった。
その他
アメリカザリガニ。ウシガエルの餌として持ち込まれた。
特定外来生物は、捕食性が高く(肉食で大食い)日本在来種の魚や昆虫などを無限に食べてしまう。それらには日本に天敵がいない。食物連鎖の頂点になる為、手がつけられない。
この中で、日本の生態系に比較的馴染んでいるのはザリガニと緑亀ぐらいだ。あとはバケモノばかりだ。
法律上の問題で、特定外来種のアメリカザリガニと、ミシシッピアカミミガメ以外は移動を禁止させられている。移動禁止というのは、特定外来種を捕獲して生きたまま、別の池や川に放すのはもってのほかだが、生きたまま家に持ち帰るのも禁止。生きたまま家に持ち帰って、清水で泥抜きも禁止。飼育も禁止。
特定外来生物をただ駆除するのはもったいないというか、タダでは起き上がらない根性で、これらを捕獲して食べようという動きもある。こんな記事を見つけた。カミツキガメを捕まえて食べたらしい。これらは上の法律故、捕獲した場所で〆なければならない。〆れば自宅で調理しても良い。
カミツキガメを捕まえて食べた記事。カミツキガメとはとある人のあだ名にもなったが…
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《掲載:デイリーポータルZ》
ゲテモノ喰いの記事をぶり返すが、凄いバケモノなのに調理されるととても美味しそうになるから不思議だ。そして実際には鼈(スッポン)より美味いらしい。
ゲテモノ喰いの記事(これは刺激が強いので閲覧は自己責任)
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今読み返して思った事だが、ソ連時代に日本人が狩猟したら「密猟」に当たらないかが気になる。「密猟」がバレて捕まったらシベリア送りじゃ済まされないかも。ましてや日本人なんてどんな扱いうけるものやら。それ想うとこの人の度胸に感服。エリアによって猟禁止の動物は違うんだろうけど。
特定外来生物の各々のエピソードを見るとどれもドラマのあるストーリーだ。Wikipediaに書いてある事しか読んでないがそれでもリアルな現実が描かれていた。
特定外来生物に罪は無い。自分の意志でもないのに、食害や、外来種と在来種が交雑する遺伝子汚染などの理由で生態系を壊すという名目で駆除されていく。無念でならない。
人間の身勝手な理由で持ち込んだのだから、罪は人間にある。
人間の世界でも移民は環境を破壊する。自国でもない国土に好き放題傷をつける。森林伐採や水質汚染など。日本人を駆逐する。土地や水源を買い漁る。政界や財界を乗っ取る。移民らのエゴで日本の良き伝統がぶっ壊される。移民の輩は結局自分の国ではないから日本などどうでも良いと心底思っている。これを教訓に、自分は趣味で外国に永住権とって移住する事は絶対にすべきではないと思った。自分も、自分と全く関係ない他国に永住したら結局自分と関係ないからやりたい放題しないとは限らない。日本にいるよりも気が大きくなり、現地の人の気持ちも考えないで、馬鹿をやるかもしれない。いくらやらないと誓っても、それを忘れてしまうくらい気が大きくなるらしい。
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2. 自然環境の変化で移動したケース
南の海の生き物が三陸に!?
《動画掲載:日テレNEWSのYouTube 》
動画と同じ内容が書いてある記事
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https://news.ntv.co.jp/n/mmt/category/society/mma1f3de43ff95470d88a94fea2896032f
《掲載:ミヤテレNEWS NNN》
カラッパという、丸っこい体型で、両手で口元を隠しているようなこの海の動物は、本来東京湾から南に生息し、三陸にはいなかった。大きさは10cmほどで、手乗りサイズである(ハムスターぐらい)。今まで見たこともないこの小さな動物を手に乗せて、つぶらな瞳でウインクなんかされたら漁師はどう感じるのであろうか?
海の温暖化に伴い、伊勢エビや暖かい海の魚なども増えているという。黒潮に乗って流れて来て、冬になっても生き残り、そのまま居着いてしまったのだろう。温暖化の深刻さを考えさせられる。
カラッパとか熱帯魚が北の海で死滅せず定着する代わりに、ホタテやズワイガニが死滅する。気候変動のダメージは寒い地域ほど強く受ける。
以前からカラッパブームはあったらしいが、自分がその存在を知ったのは今年の6月頃。アクアリウムやってる人が海水魚などを飼育している動画をみていた。そのチャンネルの動画のひとつに、メガネカラッパ👓🐈🐸という不思議な動物が珊瑚と砂の水槽にいた。猫みたいなカエルみたいな今まで見た事のない顔。ブタみたいな鼻を持ち、水が少ない所に持っていくと、鼻から水を吹き出し、カラッパ噴水をやる。爪でアサリを割って器用に食べていた。水槽の中に猫がいるような癒される空間であった。カラッパにネコミミつけてネコ吸いしたくなる。カラッパは夜行性で昼間は砂に潜っている。夜でも砂から目だけ出している事が多いらしい。砂に潜る姿が可愛い。
これは別の家のカラッパだが、シッタカ貝を食べるシーン
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《動画掲載:マリンキープchのYouTube 》
カラッパが砂に潜るシーン
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《動画掲載:すさみ町立エビとカニの水族館YouTubeチャンネル》
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3. 人間の活動によって自然環境が変化し、離散、孤立してしまったケース
古代ローマ遺跡の下巨大蟹の孤立した群れ
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古代ローマの遺跡の下、当時からすむ「巨大」なカニが急速に減少
《掲載:NATIONAL GEOGRAPHIC》
イタリア固有種で唯一の大型淡水ガニの孤立した群れ。古代ローマ帝国時代の下水道工事が原因で、テベレ川から切り離され、仲間から隔離されて都市のまんなかに取り残された。
「彼らは古代からずっとローマの中心部から動けずにいたのです。今われわれが目にしているのはかつて生息していた古代の群れの生き残りです。」
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自分はこの記事のこのページしか読んでいないので、このカニについては何も分からない。自分がこのブログで「動物のディアスポラ」をネタにしようと思いついたきっかけになったのは、約2600年の間、仲間から隔離されて孤立しているカニの問題のこの記事を読んだ事である。この問題に目が留まった原因は、自分が過去記事に書いた、蒙古族ディアスポラが約400年前に日本に渡航し、徳川幕府の政策が原因で300年以上もずっと同じ集落から動けずにいて、彼らは元帝国の生き残りであるという内容と非常によく似ていた為である。自分はローマのカニの記事から、言葉には表し難い衝撃を受けた。こんな事もあり得るのか?!というのが率直な感想である。
移民族ディアスポラの問題を取り扱っていると、甲殻類に過ぎない、食材に過ぎない動物の問題にも深刻にショックを受ける。動物も、人間と同じ境遇に置かれてしまう事がある。動物の方がもっと過酷で、徳川のような戦争犯罪ではなく、下水道工事という人間の何気ない活動によって隔離、孤立を余儀なくされるという事が起こり得るという事が衝撃的だった。この下水道工事が、カニにとって戦争と同じ悲劇を生んでしまった。人間と動物は生存を懸けた戦争を続けており、共生の糸口は見つかっていないのかもしれないと思った。環境破壊と言うと、森林伐採、宅地化、農地化、焼畑農業、大気汚染、水質汚染、ダム建設、核実験、採掘調査、兵器を使用した戦争などが挙げられる。下水道工事は、現代の「温暖化」や「汚染」に繋がる「環境破壊」と言われる活動ではないと考えられてきた。古代ローマ時代の人は環境破壊などという概念は無かった。
もしカニに人間のような意識があれば、自分らが何処から来た何者であるのか?どのような経緯で地下でずっと動けずにいる状態になってしまったのか?故郷に帰りたいと思っているのか?カニと言葉が通じる人がいれば聞き取り調査をして頂きたいとさえ思った。カニを故郷に戻す動きが出てもおかしくはないと思う。この記事には色々と考えさせられる。
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4. 人間の移動に付随したケース
これにはネズミやヒアリなどが当てはまる。人間の運ぶ荷物に混ざって、故地から世界各地へ移動し拡散して行った。
ドブネズミの原産は、東アジアや中央アジア、シベリア南部の湿地帯と考えられている。或いはインド原産とも考えられている。
ドブネズミの世界への拡散の経緯については諸説ある。
ドブネズミは、野ネズミに対して人家やその周辺に棲息する家ネズミと言われる。下水の周りや河川、海岸、湖畔や湿地など水辺や湿った土地に棲息している。
ドブネズミの拡散についての諸説ある中の一つに、ドブネズミの拡散は、インド文化の伝播に伴い拡散して行ったという説がある。ユーラシア大陸と陸続きの東アジアには一桁世紀にドブネズミが入って来たと言われている。1300年代半ば(14世紀)にはヨーロッパにドブネズミが入って来て、ペストが大流行したらしい。日本に初めてドブネズミが渡って来たのは、大正時代にヨーロッパから来たと言われている。それも船に積んだ荷物に紛れて来た。
動物の侵入時期で、人間の流入時期が割り出せるようにも思える。日本の文物、芸術、建築技法は、インドをも含むシルクロードを通って、瀬戸内海を通って、終着点の奈良に天平年間(729-749)に辿り着いた物が多いとされている。シルクロードを経て日本に来たと言われれば、同時にシルクロード沿線の人間も日本に流入して来たと考えるのが普通だ。自分は、シルクロードから流入した人の影響で現在の日本が形作られていると考えてきたが、この「ドブネズミ、インド文化伝播付随説」を読む限りだと、どうやらシルクロード沿線から日本への人の流入は無かったようである。先日、トゥラン主義の主張を思い上がって書いたが、今思えば随分と短絡的だったと思う。
ヒアリは、2017年5月に中国広東省広州市から神戸港への貨物船で運ばれた海上コンテナの中から発見された。同年7月14日には横浜本牧埠頭のコンテナヤード内のアスファルトの割れ目から700匹以上のヒアリが見つかった。
ヒアリは南米大陸原産の世界の侵略的外来種ワースト100選定種である。主にアルカロイド系の毒と強力な針を持つが、人間が刺されても死ぬことは稀で、痛み、痒み等の軽度の症状や、体質によりアレルギー反応や蕁麻疹等の思い症状が出る場合もある。アレルギー症状の中でも特にアナフラキシーショックが起きた場合は、命の危険がある。そのため殺人アリと呼ばれることもある。
《抜粋:Wikipedia》
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5.国内外来種
国内外来種の代表的な生物といえば、ドンコという純淡水魚。本来は新潟県、愛知県以西の本州、四国、九州、大韓民国巨済島に棲息していたが、近年では相模川(神奈川県)や東北地方(福島県)にも棲息している。国内でも本来棲息していない所に、人の手によって持ち込まれた種を国内外来種という。
長文のご精読ありがとうございました。
《写真:旬の食材百科》
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