ゴーンの犯罪性と、NISSANのお粗末、政府の無能。
ゴーンの犯罪性
田舎の板金屋の社長が会社のカネを私物化したのとは規模が違う。規模が違うとその意味も異なってくるということを理解するには、きちんとした勉強が必要だ。会社はその規模が大きくなると社会的責任はその規模の拡大以上に大きくなる。
2,30人使っている鉄工所が誰を雇用しようと社長の一存で決めることができよう。チンピラ社長は言う、「俺の会社だから」。
そうだ。私企業なのだからだれを首にしようと雇おうと他人からとやかく言われる筋合いはないようだ。
19世紀まではそうだった。
今や会社は、一部の極小零細、あるいは家内制手工業の残滓をのぞいて、社会の公器として今日の生産関係の一部に組み込まれたシステムになっている。規模の拡大が質的意味合いの変化をもたらすとはこのことだ。
チンピラ社長が会社の金を使って妾と自分の還暦祝いをしてたらご町内の顰蹙を買うだろう。従業員は、「文句あるならやめろよ」のひと言が怖くて沈黙。
ところがゴーンは自らの還暦をベルサイユのトリアノン宮殿で祝った。腰抜け日産は、零細企業の従業員のように沈黙した。その還暦祝いの費用も日産が負担した。つまり日産車に乗る人が負担した。
その場合の沈黙は共犯なのである。
金融商品取引法における
有価証券報告書の虚偽記載 (会社の私物化を会社ぐるみでかばっていた)
会社法の
特別背任罪 (取締役などの地位にある者が自分もしくは第三者の利益を図り任務違背行為を行い会社に財産上の損害を与えること)
入国管理法出入国管理法における
不法出国 (今回の逃亡)
ポイントは特別背任。背任に特別という字をかぶせとくに加重処罰しようという考え方だ。金額の多寡は問題ではない。本人の社会的地位が高いことによる影響は社会構造、ひいてはその国民の道徳観にすら影響が及びうる。社会全体にこの風潮が蔓延したら大変なことになるという視点から、「特別」背任という刑事罰がある。
彼の犯罪性とは、NISSANを食い物にしたにとどまらず、こともあろうにNISSANの救世主の皮をまとい、2万人の馘首を断行し、不真面目なクルマを作らせ、とどのつまりが今日の生産関係、すなはち資本主義をおちょくった。
これを看過する国家権力とはまさに失敗国家のそれである。
更にはゴーン容疑者を国外逃亡させてしまった。何たる醜態。
この頃権力の破廉恥行為が続く。法務大臣は逃がしたあとで逃げてはいけませんと負け犬の遠吠えをするし、
安部は自衛隊を中東周辺に送りつつも自らは予定した中東外遊を一旦躊躇した。「中止も含めて検討中」という役人用語を訳すと、「危ないから行かないもん」という日本語になる。臆病者は個性だが、総理には不適。
続く