けいた と おちぇの親方日記

わんこと暮らす、のんびり日記

エッセイ「人生とは勇気」(児玉清著)

2015-08-20 18:00:00 | 書籍(コミック)
今は亡き児玉清さんのエッセイ「人生とは勇気」を読んだ。

私がエッセイを読むことはあまりない。
昼休みに丸善さんの文庫本コーナーを彷徨いていたら、
元気な児玉さんのお顔が目に入った。



児玉さんは好きな俳優さんであったが、
2011年5月16日、77歳で亡くなってしまった。

木村拓哉さん主演の連ドラ「HERO」(フジ・01年1月期他)の
鍋島利光・東京地検次席検事役が有名であるが、
自分は同じく、フジの連ドラ「鹿男あをによし」(08年1月期)の
リチャードこと、小治田(おはりだ)史明教頭役が好きである。



児玉さんにしては珍しく、本役は悪役で、
しかも少々せこい悪役。
こんな役も演じられるのだなあと思った。

本の話に戻るが、児玉さんといえば、大の読書家。
その児玉さんがどんな話を書かれるのかと思い、
本作品を手に取った。

また、解説の中江有里さんの
「児玉さんへ ― 解説にかえて」というのも惹かれた。



本作品を読んで、児玉さんのイメージが少し変わった。

「極端に弱者を優先させるのは、誤りである。
 弱者を守るのは当たり前であるが、弱者が前面に立つと社会は歪む。」

ご本人も書かれていたが、
思っていてもなかなか言える言葉ではない。

「『勝負をする』とか『これに人生を賭けます』などといった、
 言葉を口にしてはいけない」

「本を読むことは、心の中に生じる仕事上のストレス、
 不満や不安、さらには悲しみや苦しみといった、
 いわば人生の負の部分をすぺて吸い取ってくれたばかりか、
 いつも僕の心に希望の灯を点してくれた」

児玉さんほどの読書家ではないが、
自分にとっても本を読むということはそういうことである。

児玉さんが大切にしている「暗殺の年輪」(藤沢周平著)という
作品について紹介される部分がある。

「主人公の馨之助は、どんな境遇に落ちても、いや落とされても、
 他人を恨んだり、詰ったり、誹ったりすることがない。
 すべては外に向かわずに内なる自分の心へ向かっていく。
 自分の心を強く強くすることで苦境を耐える力を付けていく。」

この主人公をみて、
「人の生きている場所は心の中だ」と思うようになったそうだ。

「暗殺の年輪」という作品は読んだことはないので、
一度、読んでみようと思う。
コメント
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