鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

バトンタッチに思う(3回シリーズその2)

2012年11月25日 10時10分47秒 | 緑陰随想
 知識や技量は個人の記憶や体験の蓄積と、新たな部分との差し引きで行われ、その差が追加されて上達の過程を経る。つまり「まねる」ことが学ぶことになる。書籍を声を出して読むことは、耳からの情報により、記憶力を高める効果があり、記憶の定着を図るといわれている。五感を使うことによって感覚運動系の技能は小脳に蓄積され、バランスや筋肉の強弱、指の感覚強化等を図り、空間的な位置把握を覚える。最近のITに代表された科学技術を駆使するには側頭葉に記憶を置き、前頭葉で組み合わせ、記憶した内容を知的管理系の技能として定着させるといわれている。実際にどの部分の脳が役割を持つかは脳科学の世界の話なのでそちらに譲ることにするが、知識や技量をどうすれば効率的に引き継いでいくかは結構複雑なステップがあり、十分に解明されているとはいえない。集団で講義を受けても、受講者個人によって様々であり、誰もが同じことをできるわけではない。

 通常、体系的知識は一定の原則を設定し、現象をモデル化した閉じられた世界を相手にするため、質問の答えが明らかになる。従って、記憶力が高いものが良い成績を得る。社会生活では閉じた世界でなく、知識の部分においても複雑な組合せが多数ある場合がほとんどで、必ずしも解は一つではないため、学校で学んだことが役に立たないことも多い。(次回最終回へ続く)