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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

札幌で描く夢(3回シリーズその3)

2012年11月29日 09時34分07秒 | 緑陰随想
 数年前の11月上旬に札幌に行く機会があった。この時期の不安定な天候が続く合間の好天気に誘われ、古くからの友人ご夫妻に連れられて、丘珠空港の近くにあるモエレ沼公園へ行った。モエレ山頂上から、札幌市内が一望でき、360度の視界が広がるパノラマを見ることができた。この公園は札幌市の「緑化環境グリーンベルト構想」の一環として、1988年に着工し、2005年7月に完成。1.89平方キロメートルの広大な敷地を持つ公園である。日系米国人の彫刻家イサム・ノグチ氏の設計による。彼は完成される前に他界しているが、沼の埋め立てばかりでなく、標高50メートルはある人工的に作った山(モエレ山)や幾つかある丘陵には、10年間をかけて札幌市が集めた廃棄物、約270万トンが使われたそうだ。埋め立てによる公園施工の材料として廃棄物を使った札幌市のアイディアは称賛に値し、廃棄物が多くの市民に愛される公園という別の生命が吹き込まれ、見事に生き返ったことは印象深く、設計者イサム・ノグチ氏の功績を称えるとともに、このアイディアが緑化を進める原動力として、全国的に展開が図れないものかと思った次第である。
 
 製品や材料の製造には不要な原料や在庫期間が過ぎた製品等の廃棄物があり、それぞれは微量であっても、多量生産や工事規模によっては、「ちりも積もれば山となる」の格言どおりとなる。
 産廃業者に処理を任せたとしても、投棄や焼却が一般的である。焼却による処理は油煙やダイオキシンの発生による二次汚染を引き起こす可能性がある。廃棄製品や材料のリサイクルが試みられているが、容器の耐久性や、処理等にはコストや廃棄場所等未解決の問題もあるようで、業界は資源再利用のサイクルが完成されているとはいえない。廃棄物を最小限にする知恵とモエレ沼公園のように廃棄物が見事に変身することを初夢に託したい。(今回最終回です)