欧米の考え方のベースは合理主義思想が貫かれ、コンピテンシー(能力)を追求することが流行となっている。コンピタンスとは適訳ではないが、総合的能力のことで、職業能力開発用語集では、コア・コンピタンスの用語で説明されている。(転記 顧客に対する他社のまねのできない物、自社独自の技術で価値を顧客に提供できる物、すなわち企業間で競争上での特徴、強み(ノウハウ技術を含む)、つまり顧客からみた企業の力をいう。コア・コンピタンスが組織、企業の力であるとは対照的に、コンピテンシーは個人の力といえる。
いずれも新しい概念であり、現在発展途上の理論であるが、コア・コンピタンスとコア・コンピテンシー双方のリンクが今後の大きなテーマである。例えば、携帯に便利な超小型化技術や超薄型画面の画像ディスプレイ、画像処理技術などがあげられる。)能力開発の現場でも、開発途上国行政官の研修で、コンピテンシーをベースにした訓練についての要望があった。しかし、当方理解不足でもあり、講義の担当を辞退したが、どうもよく分からなかったため、今回、知り得る範囲で考察したことをお伝えすることにした。Web辞書のWikipediaでは、未稿となっており、はっきりとした説明はこれからのようで、とりあえず概要については書かれてあるので、後日掲載することにする。
コンピテンシーは、行動特性と説明している文献が多いが、要は企業における業績が優秀である社員の行動を形作っている要素を分析し、その部門における行動規範として位置づける。
その要素としては、具体性のある内容で、顧客志向、傾聴力、変化への適応力、計数処理能力、リーダーシップ、論理思考等の行動特性がベースとなり、業務に対しての使命感や価値観といった心理的動機付けを、アウトプットする層状構造を持つようである。これらを行動モデルとして、各自のコンピテンシーとの相対比較によって、人事考課の参考にし、欠落部分については研修や訓練を行うことによって、組織のレベルアップを図ろうとする考え方である。従来の人事考課項目は、協調性、積極性、規律性、責任感などを潜在的な部分を含め、考課対象としてきたが、コンピテンシーはむしろ、個人の顕在化した事柄を対象としている点で従来の項目と異なっている。(次回へ続きます)
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