リアハブのメンテナンス-分解
フロントハブメンテナンスに続き、リアハブとフリーのメンテナンス。
ホイールは古いCannondale Badboyに付いていた純正品(たぶん)。
フロント同様にガビガビに汚れています。
作業は反フリー側から始めます。まずはダストキャップを外します。
ダストキャップが外れました。
玉押しナットは17mm。
玉押しナットを固定する外側のナットは15でした。これで廻せば簡単に外れます。
玉押しナットを固定している一番外側のナットが外れました。
薄いワッシャーを外します。
次に、やや厚みのあるアルミ製のワッシャーを外します。
更に、最初に外したのと同じくらいの薄いワッシャーを外すと、ようやく玉押しナットが姿を現しました。
玉押しナットが外れました。奥にハブのベアリングボールが見えてきます。
片側の玉押しナットが外れると、逆側(フリー側)からシャフトが抜けます。このシャフトには反フリー側と同様にナット類が付いています。基本的に作業をどちら側から始めるべきか判りませんが、やってみた感じはどちらでも支障が無い気がします。
シャフトが抜けた状態の反フリー側です。ハブのベアリングボールの上に金属製のU字型に窪みが出来た部品がハマっていますが、これは爪先などで引っ掛けるとカパッと簡単に外れます。
金属製でU字型に窪みの出来たパーツが外れました。(分解の際に写真を撮り忘れたので、洗浄・グリスアップ後、組み立て時の写真を使っています)
引き続き分解です。金属をゴムでコーティングした感じのパッキンを外します。(分解の際に写真を撮り忘れたので、洗浄・グリスアップ後、組み立て時の写真を使っています)
金属製でU字型に窪んだパッキン→ゴムコーティングパッキン→ベアリングボールを外し、少し汚れを取った状態の写真です。これで反フリー側の分解は終了です。次に、フリー側へ移っていきます。
フリー側です。まずは一番外側に付いているゴムコーティングのパッキンを外します。すぐ奥に一回り小さい同じようなパッキンが見えてきます。
先に外したものより一回り小さいゴムコーティングのパッキンを外しました。
ここも写真撮り忘れです。2枚目のゴムコーティングパッキンを外すとベアリングボールが出てきます。上の写真はベアリングボールを既に外したあとのカップ(玉受け)写真です。ハブの分解作業はココで終了ですが、フリーを分解洗浄するには更に先に進んでいきます。玉受けに2箇所、対角線上に窪みが見えます。本来、この窪みに入り込みカップを回す事が出来る「TL-FW03」というシマノ純正工具が必要です。
ただ、この「TL-FW03」というシマノ純正工具は生産終了しているらしく、入手困難という事が判明。ネットで調べていたら、自作している人も居て、皆さんそれぞれ工夫して対処しているみたいでした。で、私は下記の様な方法を編み出しました^^w
ハブスパナの合わせ技です。
玉受け(カップ)の外周対角線上にある二箇所の窪みに、上の写真の様にハブスパナを組み合わせて引っ掛けます。回す方向によってスパナの合わせ方を前後入れ替えます。この写真の様に合わせると時計回りに力を加えられますので、反時計回りに力を加えたいと時は、当然スパナを前後に組み替えます。上手く説明できませんが、やってみれば判ります。もちろん、ハブスパナを曲げてしまったしても自己責任なので、覚悟の上でやりましょう。
ちなみに、ここは逆ネジですので、右に回すと緩んで左に回すと締まります。ボスフリーと一緒ですね。
取り外したフリー本体と、フリーのベアリングボール。
左上の部品はハブ合わせ技で外したカップを裏返して置いただけです。カップが外れると、フリー本体がスポッと抜けます。スポット抜けますが、この際に注意しなければいけないのが、フリーのベアリングボールの落下です。先に外したハブのベアリングボールとは別に、フリー本体の中には少し小さめのベアリングボールが入っていて、カップを外した際に外側のボール群はすぐ見える位置にあって注意出来るのですが、そちらに気を取られていると実はフリー内部ラチェットの付け根にも同じ数のベアリングボールが入っており、これが落ちてしまいます。私は数個落下させました。何かパッドやザルなどで受けながら、そぉーっと外します。
こんな感じでラチェット側にもフリーのベアリングボールが収まっています。(洗浄・グリスアップ後の写真)
ドロドロの分解工程写真に戻ります。フリーのラチェット部分が出てきました。ここを分解していきます。
厚みの異なる薄いワッシャーが4枚ありました。構造上、たぶんフリーのベアリングボールを適切に押す為のものと思うので、付いていた通り元に戻すことが大切な気がします。
上の写真を良く見ると、中央やや右の窪みにリングバネの先端が見えます。これを慎重に伸ばして外すと、ラチェットの羽が外れます。
ラチェットについているリングバネとラチェットの羽を外しました。グリスはしっかり残っていましたが、とても汚れています。
外した部品はこれで全て。
灯油を使って綺麗に洗浄しました。
ラチェット本体とホイール自体もピカピカに。
ベアリングボールは始めに外したハブのベアリングボールと、フリー内部で使われていたベアリングボールの2種類がありました。各2箇所ずつですので、計4ヶ所にベアリングボールが使われています。フリー内部に納まっていたベアリングボールは最初に外したハブのベアリングボールよりもひと回り小さく数も多い為、間違えることは無さそうです。
次回は分解、洗浄を行った部品を元通りに組み付けていく工程をUPします。
過去記事 フロントハブのメンテナンス-組み立て
過去記事 フロントハブのメンテナンス-分解
パーフェクトラブ!!から飛んできました。
素晴らしい!
これですよこれ!
シマノ分解禁忌の部分なんて言わせませんよ。「TL-FW03」というシマノ純正工具は絶版ですが中華工具があるんでそちらを使ってみる記事も是非とも期待します。
またいずれ、やってみるかもしれません。最近は色々工夫しなくても安価な中華工具が沢山ありますから、便利といえば便利ですね。