SUNTOUR Perfect ボスフリー
エンド幅120mmの時代からあって、長くスタンダードとして使われてきた国産ボスフリーの定番。とにかく玉数が多いので程度の良いフリー本体さえあれば歯数はどのようにでも変えられて、基本的にどの時代のパーフェクトでもスペーサーの幅で調整しながら使える互換性もあります。しっかりメンテナンスすると心地よい音を奏で、旧車に合わせるには十分な性能と耐久性を併せ持つボスフリーの名品。というのはSUNTOUR好きな私の持論(゜-゜)
Perfect の分解洗浄/グリスアップは何回もブログで取り上げていますので詳細は省略。フリー本体には5速レギュラー、6速レギュラー、6速ウルトラ(120mm用6速)が存在し、レギュラーとウルトラでは歯間に入るスペーサーの厚みが異なります。今回はレギュラー6速の整備。
ボスフリー本体は未使用品を入手していますが、エンジンオイルに浸して保管していたようで固まりつつありました。カラッカラでは無いので、長期保管していたものをエンジンオイルに浸してまた保管したのかもしれません。歯は中古の在庫も織り交ぜて15-16-17-19-21-23Tで組みました。長い下りでは使えませんが、フロント52-39Tと合わせて常用域では満遍無く使える構成。
大切な中心部ですが、普及しているのでレストア好きの手が入っている場合も多く、丁寧に扱われているとは限りません。手の上では綺麗に回ってもホイールに付けて回して見るとおかしな音が響くような固体に当たった事もあります。見た目に分からない金属のダメージなんかは音が大切だったりするので、ボスフリーは実際に自転車に付けてみて音を確認するようにしています。
ベアリングのボールは上が35個、下が42個で合計72個です。このPerfect は無事に蓋が外せました。この中をメンテ出来るのと出来ないのとでは実際の使用感が違います。
慣れて仕組みが分かると何てことないんですけどね、最初は絶対ボールを落とします。
ボスフリーの玉押し調整を兼ねているスペーサー。その個体によって使われるスペーサーの厚みや枚数が違います。
ラチェットの羽。
ラチェットの羽を広げる為の細いバネ。根元は上から落としこんだ鉄製の芯棒で押さえられていて、外そうと思えば外せます。玉押し調整用のスペーサーはこの芯棒やラチェットの羽を留める役割も担っています。
灯油&ディグリーザー、真鍮ブラシを使って綺麗に磨きました。歯は様々な年代ですので色合いが全て違っています。
固着した油分が取れて綺麗さっぱり。鉄製なので外に放置されていたボスフリーは内部も容赦無く錆にやられますが、あんまり酷いヤツはそもそも蓋が外れません。
フィニッシュラインのセラミックグリス。私の場合、ボスフリー中心部には少し柔らかめなこのグリスを使ってます。デュラグリスでは明らかに硬すぎますが、使えない訳ではなくて廻しているうちに馴染んでいって、いずれ気にならなくなります。
素人レベルではグリスは大量投入しても大丈夫。ただ、ラチェットの羽部分に写真(上)くらい使ってしまうと使い過ぎで、羽が開かなくなります。カップ&コーン部分には多め、ラチェット部分は少なめが良い。入れ過ぎたグリスは拭うよりも別のOILや添加剤で緩めてしまうと楽です。
外周部のカップにグリスを乗せてボールを並べます。
中心部にそーっと被せてから少し回してみてラチェットの動作を確認。大丈夫なら外側のボールも並べていきます。
最後に蓋をして作業終了。カップ&コーンには柔らか目とはいえ多量のグリスを使っているので初めは回転が重く感じますが、少し乗るとグリスが分散して気にならない感じになります。さらに、組み上がった後で上下の隙間からOIL(潤滑剤)を少々染み込ませてあげるとグリスが柔らかくなって最初から良い感じで使えます。染み込ませるOIL(潤滑剤)は入れ過ぎてグリスを流さない程度なら何でも良さそうで、安いミシンオイルで良いのかもしれない。
美しい…。
毎回メンテナンスしていて思うのですが、真鍮ブラシで磨くと元々金色っぽい色が深みを増してより綺麗な感じになります。身近になって勝手知ったる部分も愛着に一役買っているかもしれません。古い部品ながら耐久性が高く回転性能も悪くない。長い間スタンダードとして使われてきた圧倒的な信頼と合わせ、やっぱり私はPerfect が好きなんだろうと思います。
特に当時のマエダ製は精度と耐久性に優れていたと思います。そのなかでパーフェクトフリー!当時の完成車にはみーんなパーフェクトがついていたな
こちらにもコメント頂きありがとうございました。
とても沢山のボスフリーを弄ってきて、例えばウィナープロとか、デュラとか、その時代の最高峰にも触れて感動しましたが、使い易さとか自在性とか愛着とか、パーフェクトラブですね(笑
今は私がハマった時よりもさらに見かけなくなってシマノ製のボスフリーをたまにメンテする位ですが、今のカセットフリーのメンテにも通じるところはあってそれは今でも非常に糧となっています。
レスサンクスです。
パーフェクトの空転時の音のカチカチの音は私のサイクリングの原体験です。
友人がニューウイナーを付けてくると、音はチチチとかなり静かなんで、それが欲しくなったり。
パーフェクトでも組み立て時にグリスを用いたら静かになった記憶があります。
また当時のジュラのボスフリーは中子の中の刻みが多くてチチチの間隔が多かったような記憶があります。
しかしシマノにはフリーハブをばらさないと使うことが無い中子内に使う純正グリスがあるのが不思議。在庫が売ってるんでしょね。
メーカーによると此処も
「ばらすな」とのことですが古いSTIやラピッドファイヤーは固着して動かないのが多すぎです。
ken-boonさんなら、完璧にできそうなので期待いたします。
STIは、やったことがありません。チャレンジしようと思ったことは無くもありませんが(^_^;
空打ちの多くはグリスの固着なのでディグリーザーで一度リセットしてから注油し直すことで復活する事が多いてすが、組み立てる自信がありません。
カセットのフリー部は、何度か工夫して開けましたが、めんどくさくてあまりやらなくなって、中華製の専用工具を入手してみたものの今のところ使わずじまいです。これはまた機会があればやってみるかもしれませんが。
いや~フリーマニアの方とお話しできて楽しいです。
カセットのフリー部の分解の情報はネット上でも少ないんですよ。ボスフリーと比較して、まずハブ軸をばらさないとフリー部の単体になりませんからね。シマノ公式には、STI内部とあわせて分解禁忌の場所ですが、ぜひカセットフリー部の分解の記事のアップを期待いたします。カビカビに錆びたカセットフリーのホイールでも探してみますか~?
はは(^^;
フリーマニアの自覚は全くありませんが、、、古いカセットフリーの分解は以前書いてます。
気持ちよく回る。滑らかな音や感触になる。そーいうのがあるからというのもありますが、つきつめたいって思いもあるんでしょうね。たぶん。