SUNTOUR α-5000 リア変速機。α-5000はダブルピポット方式で、テンションスプリングはプーリーケージ側と変速機取り付け部分で使われています。で、今回はその変速機取り付け側ピポット部のテンションスプリングを調整。
レストア時に一度分解メンテしていましたが、どうもピポット部のテンションが上手くかかっていない印象。フロントをインナーにかけてもアウターにかけても後変速機の位置が殆ど動かないなぁって思ったのが発端で、よくよく思い出してみると分解後にテンションスプリングを戻す際、スプリングを差し込む「穴」が二箇所あって、テンション的に楽な方に収めた記憶があります。
結論からすると「楽」じゃない方の穴に通すのが正解だったみたい。作業的には単純なんですが、何せ小さい上にバネの力が働いていて大変で、肝心なところは写真に収める余裕なし。
問題のピポット部分。Bテンションと言われるところ。
外すのは簡単。バネの力で飛び出そうとするのを抑えているCリングにマイナスドライバーを引っ掛けて外します。
外した途端に飛び出してくるので、抑えながら作業します。
外れました。
外した部品(写真上右)の裏側にはスプリングの先端を通す穴が見えます。変速機側ピポット部にも同じ様にスプリングを受ける穴が有りますが、変速機側は2箇所の穴があります。
写真(上)は逆から見たところ。2箇所の穴が見えます。当然、テンションスプリングを収める場所によってスプリングのテンションが変わります。多分、変えられるようにそうなっているんだと思いますが、私の知識ではその状況がイメージ出来ません(◎_◎;)
テンションスプリング。現行シマノ製品なんかはスプリングの左右嵌めこみ部分の長さが違って「方向」がある様ですが、このスプリングは見た目に一緒なので「方向」は無さそう。
元に戻すのは大変で、今回はクランプを駆使して何とか収まりました。何となくコツを掴んだので、次はもう少し楽に出来るかな(汗;
二つある挿し込み穴のうち、テンションがあまり掛からない方にスプリングを通すと、黄色の矢印で示した凸部分(回転止め)は最初から赤い矢印(下)の位置に来ます。もう一方の穴(テンションが掛かる方)にスプリングを通すと、凸部分は青い線の場所に来ます。この青い線の場所から赤い矢印(下)まで凸部分を引っ張った状態で嵌め込まなければいけません。一旦テンションが掛からない状態でピポット部品を嵌めこんでクランプで固定し、緑の線で示した隙間分(部品が完全に飛び出さない程度)だけクランプを緩めて凸部分を赤い矢印(下)の方まで回転させ、その状態でクランプを締め込みながらピポット部分を嵌め込みました。完全に嵌め込んだらその状態を保持しつつ、Cリングを入れて固定します。
※所定の位置に凸部分が来るとピポット部品を嵌め込み辛くなりますが、ハンマーなどで軽く叩くと収まる。
※この部分は隙間に凹凸のある樹脂リングが使われていて、この樹脂リングの凹凸を合せないと入らない仕組みになっている。樹脂リングの凹凸が有っていない状態で無理やり押し込むと樹脂リングを破損する。
我ながらややこしくて分りづらいですが、個人的な備忘録って事で…(._.)
スプリングのテンションで動く稼動部分には潤滑剤を使っておきます。十分に浸透させてから、余分な油分を綺麗に拭き取ります。
フロントインナーでの後変速機の位置。
フロントアウターでの後変速機の位置。
同じ角度で写真が取れなくて分りづらいですが、実際はフロントで使用するチェーンリング次第でしっかり角度を変えて動くようになりました。たぶんこれで合っているハズです。
パーツの年式が被っているので、ウチのコたちも参考にさせて頂きます。この頃のサンツアーのディレイラってパンタグラフの中心にバネが入ってなくて、とても軽やかな印象があります。もうお目にかかる事もないでしょうけど。
ゲージもジョッキープーリーのところではなく、そこから少しガイドプーリー寄りの場所でパンタグラフに取り付けてあるところに、メーカーのこだわりを感じます。
調整ネジがパンタグラフに取り付けてあるため、調整が楽で分り易く使い易いですよね。
こないだ写真を拝見して気になってました(゜-゜)
α-5000は変速機だけかと思っていましたが、もしかしてコンポとして存在していたのかもなんて。
α-5000はCyclone7000の弟分になりますが、なかなかどうして素敵な変速機って印象です。SUNTOURはギリギリこの時代位までは下位グレードにもメーカーの拘りが感じられますよね。α-5000の後変速機に関しては、アルマイトで色付けされた本家Cyclone7000よりカッコイイかも…って、現物を見た事がないのでなんとも言えませんが(笑)
鉄レーサーで脱SHOMANOの狼煙を上げたとき、勧められたのは「8速でも使える」Superbでしたが、フルコンポするには体力(w)に自信が無かったので、セカンドグレード狙いでした。
Cyclone Mk.2はインナーケーブルをパンタグラフの中に納めた造りなので、見た目もすっきりしてお気に入りなんです。
Sprint 9000 の写真を見たことがありますが、α-5000は色付けされていない所がプロユースっぽくストイックでカッコイイです。
Sprint 9000…
RADACのハブは正にソレです(笑)
シールドベアリングですが素晴らしい回転で、シルバー地にSprintのロゴがカッコ良く、ハブの方はお気に入りです(^^ゞ