北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

休憩 もしかしたら彰国社の西洋建築史図集の写真、間違っていませんか?

2015-11-16 16:11:15 | 日記
同じブルネレスキの設計した教会なんですけど、サント・スピリト教会堂 Basilica di

Santo Spirito という建物が彰国社の西洋建築史図集の47ページの右下に紹介されて

います。(僕の手元にあるのは昭和48年4月10日再訂第1版第1刷)




こんな建物です。







フィレンツェのアルノ川の南に建っているみたい、、、。





(地図の左下に S.Spirito とあります。)




正面は、こんな感じ。








西洋建築史図集の説明は以下の如し。


   6、7. サント・スピリト教会堂、フィレンツェ。ブルネレスキ.1436設計。

   平面図と身廊部。


巻末の図版解説には

   
   47-6、7.サント・スピリト教会堂、フィレンツェ S.Spirito、Firenze

   (Filippo Brunelleschi).サン・ロレンツオ教会堂(1421-1446)、

   につづくブルネレスキの第二の教会堂で、1436年ごろ設計されたが、実際

   に建造が進捗したのは1445年以降で、82年ごろ完成した。しかし、この

   教会堂はブルネレスキの意図をよりよく示すもので、側廊の巾を基準とし、一貫

   した1:2の比例で内部空間を構成している。サン・ロレンツオでは、初期キリ

   スト教のバジリカの平面を用いたが、ここでは、より中世的なラテン十字平面を

   採り、両袖廊と内陣を同じ大きさにして集中堂的な交叉部をつくるが、他方、

   側廊を袖廊や内陣にも一周させ、また壁には同一のニッチをくり返すことによっ

   て、交叉部と身廊部を一体化している。側廊にはペンデンチヴ・ヴォールト、

   交叉部にもペンデンチヴ・ドームを架けているが、身廊、袖廊、内陣は平天井で

   ある。単純な幾何学的な論理で整然と統制された空間に、ルネサンス的ヒューマニ

   ズム、すなわち人間の意志による統御を見るべきである。


とあります。



平面プランです。



                           http://www.PlanetWare.com




で、内部の身廊から内陣の写真がこれなんですけど、、、







彰国社の西洋建築史図集の47ページの右下の写真⑦は、サン・ロレンツオ教会堂の聖堂

の写真が使われてしまっているようなのです、、、。(違っていたら、ごめんなさい。)




追記  今日、用事があって函館の街に出たので、帰りに蔦谷書店さんに寄って、立ち読

    みして最新の版を確かめてきました。三訂版という版になっていて、47ページ

    が51ページになっていましたが、やはり右下で⑦の写真なんですけど、ちゃん

    と差し替えられて訂正されていました。もう42年も経っているんですもんね。



追記  Brunelleschi, Santo Spirito

    
















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メディチ家礼拝堂(Cappella mediceo) その5

2015-11-16 13:58:15 | 日記
どうやらサン・ロレンツオ教会堂は、ブルネレスキの関与した15世紀の始め頃か、前半

の頃までは






どんなに完成していても、この図の範囲くらいまでで、後でこのブログに出てくる図書館

と中庭は、その後に出来あがって、『君主の礼拝堂』が出来たのは17世紀になってから

のようです。(ですからブルネレスキは、『君主の礼拝堂』の地下礼拝堂の基礎にも、そ

の計画にさえもタッチしていなかったのではないでしょうか? なんてったって150年

もずれていて、ブルネレスキは生きていません、、、。)



これが現在の全体図でしょうか? (向きを他の図とあわせるために回転して縮小かけて

ます。右下が図書館と中庭。)






なのに、『君主の礼拝堂』と『ミケランジェロの新聖器室』の2つだけを併せて、





むりくり『メディチ家礼拝堂』と呼んでいるのかも知れません、、、。



肝心のサン・ロレンツオ教会堂の聖堂の内部です。






身廊から内陣に向かって、右がミケランジェロの新聖器室、左がブルネレスキの古聖器室



中庭です。





真中の赤い丸屋根が『君主の礼拝堂』のクーポラ。




          メディチ家礼拝堂(Cappella mediceo) その6 につづきます。




追記  『君主の礼拝堂』ではなくて、『王女の礼拝堂』のような気もしてきた、、、。



















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする