Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

論文の進捗状況

2009-10-16 23:56:44 | Weblog
書くのが速すぎるのかなんなのか、もう一段落ついてしまった。明日、新しい本を借りてきて、新しいテーマの研究に取り掛かるつもりです。と言っても、そこで書くことはもう大体決まっていて、念のためにその新しい本を読んでおく、という程度のものなのですが。


ただ問題は外国語の本。見切り発車で書き始めてしまったので、未読の参考文献がまだそれなりの数残っています。というのは、地方の大学にある本で、取り寄せに時間がかかるので、それを待っている間がもったいないと思ってもう書き始めてしまったからです。別にせっかちではないつもりですが、締め切りがあると、時間に余裕を持っていないとひどく焦ってしまい、取り組むのも自然早まるんですよね。

それらの本は、もう大体論文が書きあがってしまってから読むことになりそうです。大事な論文だったら書き直さないといけないところが出てきて嫌だなあ、と思いますが、まあ今のは草稿のつもりで書いているのでね。とはいえ…。う~む。妥協策は、「だれそれが言うように」という形式で論文に新しい本を挿入する方法ですね。ずるいけど。まあ仕方ない。

それにしても、どっと疲れが出ました。いま、体がひどくだるくて何もやる気が起こりません。もう寝ようかな…

成長なんてしていない

2009-10-16 00:43:28 | Weblog
修士論文を再び書き始めたのですが、二日で2万字書きました。多いな!自分でもびっくりです。ブログをやっているからかどうか分かりませんが、書くのが速くなっているようです。もともとけっこう速い方だったんですけどね。それにしても、今回のはかなり頭を使いました。悩みました。

日本人の書いた論文を二本立て続けに読んだのですが、ちょっとした衝撃を受けてしまって。鋭いじゃないか!日本のロシア文学研究者の書いたものって、場合によったらロシア人の書いたものよりもよっぽど優れていますよ。しかもそれがまだ若い研究者なんですからね。いやはや。それは、作家の思想を丹念に辿ることで、一般に言われているようなその作家の作品に対する見方を覆していて、うならされました。おかげでぼくも、作家の考えにかなり傾いてしまいました。それの検討をしていたら、字数がたまるたまる。

でも、その研究者の書いた論文にそのまま乗っかることもできず、ぼくのこれまでの考えを押し進めるためにどうしたらいいのかと、それでけっこう悩んでしまいました。もう一度作品を読み直して、なんとか道筋をつけられたと思ったので、論文を書き進めることができました。

ところで、そういう若手の研究者の書いたものを読んで、ぼくなどは単純に「ああなんてすごいんだ!」「立派なんだ!」と思って、「おれなんてどうしようもない馬鹿じゃないか」と落ち込んでしまったのですが、その日の夜、ふと中学の頃を思い出しました。中3の夏、ぼくは塾の合宿で長野だか群馬だかへ行ったのですが、あいにく一番上のクラスで、周りの人ができるできる…。なけなしの自信をすっかりなくしてしまったぼくは、それを塾の先生に言ったら、「あいつらができるだって?はっはっは。彼らからすると、君のほうこそすごいできる奴と思われてたかもしれないじゃないか」と言って慰められました。そんなのありえない、と当時感じたぼくですが、あれから何年も経ち、まるで成長していないことに気が付きました。とにかく周囲の人が自分より優秀だと感じてしまう。実はぼくは人の長所を見つける天才で、それでその長所ばかりが目に付いて、かえって落ち込んでしまうのではないか、と「いい人アピール」(誰に?)をしてみたのですが、もちろんそんなことに意味はありません。ああ、自信が底をついている人生なんだな。

ところがですね、二本目の論文を読んだとき、あれ、と思いました。これは、2005年にも一度読んだことがあるのですが、そのときはまるで理解できなかった難解な論文でした。しかし、いま読んでみると、ちゃんと分かるんですよ。まあ後半は議論が錯綜していてやはり掴み所がなかったのですが、前半は、かなりよく分かる。ぼくもこの4年の間、何もしていなかったわけじゃないんだなあ、と少し安心しました。しかし、それは頭がよくなったというわけではなく、単にそこでの研究テーマに対し、最近はぼく自身が少し調査しているからでしょう。これって成長なんでしょうか?まあ、知識は増えたってことかな。

でも本質的な部分は、中学の頃から何も変わっちゃいないんだ、とつぶやくぼくでした。ぼくはそのつぶやきを口の中からひっぱりだして、逃げないようにぐいと握り締めると、それを窓に向かって投げつけました。ガシャン、と音を立てて窓は割れ、破片が畳の上に氷雨のように降り注ぎました。月の光が欠片に反射して、黄色く煌めいています。ああ、今日もいい天気だな、と思って割れた窓から吹き込んでくる夜風にちょっと肩をすくめながら、ぼくは階下へとアニメを観に降りてゆくのでした。おしまい。