goo

デカルトの二枚の絵



教科書にでてくる有名なデカルト(1596~1650)の肖像。
この顔がずっと本物だと思っていました。
このブログでも2014年にこの顔を話題にしました。
https://blog.goo.ne.jp/ki_goo/e/29440b2fabb990fd45ff475f41bee9e2

実はこの絵、フランス・ハルス(1581~1666)という
オランダの優れた画家が本物のデカルトを前にして
描いた・・・と思っていたら
その絵をもとにして誰かが描きなおした絵らしい。
フランス・ハルスの本当の絵はこれだという↓



原画と、それをもとにして描いた絵。
当然似ていますが、よく見ると印象が違います。
上の絵の方が知的な鋭さ厳しさ
油断のならない感じがして
なるほど「動物は機械だから
殺しても罪悪感を感じなくていい」
と言った冷徹なひとに見えます。

ところが下の絵は
見れば見るほど違う印象を受けます。
フランス・ハルスは非常に優れた画家です。
本物のデカルトを前にして
写真以上にデカルトを表現している可能性がある。

この絵を見ると
頭でっかちの冷たい印象は受けません。
「まなざし」が強い。
画家はそれを強調したかったのでしょう。
徹底的に探究する眼です。
でも冷たい眼ではありません。



これは若いときのデカルト。
学生時代、錬金術や占星術、魔術の本も読んでいたという。

デカルトはガリ勉派ではなかった。
本を捨て旅に出て専門分野以外の
多様な人々と交流し苦しい恋愛もし
独自の思想を確立した
ものすごく魅力的なひとです。
デカルトはぜったいに悪玉ではない。
次にそのことを話題にします。