おじさんとキュンと会ってから数日がたった。
僕らはおじさんとキュンは犯人じゃなかった事を伝えた。
クラスの皆は今度おじさんとキュンに会ったら声をかけてみようと話していた。
雨が続いている。今日は降ってないけど結構どんよりした空で気温が低い。
どうせプールには入れなかったなと思った時、僕の横の席にいた通称「トミー」と言う女子が声をかけてきた。
「あのね、うちのお兄ちゃんのクラスで最近話題になってるんだけど。お兄ちゃんのクラスの中のちょっとワルの二人組みがさぁ、小学校のプールに犬のふんを入れたって言ってるらしいよ」
なんと!トミーのお兄ちゃんは近くの中学校に通う中学3年生だ。
僕はトミーにその2人組みの名前を聞き、いつも6時ごろに公園の前の道を通る事も知った。
早速、ほくろクラブのメンバーに話をした。
「えーーっ!中学生なんて怖いよ」とみずっち。
「そうだよな。何か言ったら仕返しされそうだよな」とやまさん。
僕はうーんとうなってしまった。
僕だって中学生でおまけに3年生なんて怖い。
最初に犯人を捕まえようぜ!なんて言ってた勢いはどこ吹く風で僕らはちょっと(x_x;)シュンとなってしまった。
その時、僕の横で黙っていたテンちゃんが急に立ち上がった!
「駄目だ!キュンやおじさんのうたがいをはらしてあげないといけない!今日皆で確かめに行くぞ!」
テンちゃんはまたもや手を組んで上を向いて闘志に燃える目をしてした。
そして僕らはつられて言ってしまった!
「おーー!頑張ろうぜ!」
・・・そしてその日の放課後。
僕らはまたもや公園で集まりその2人組みの中学生が来るのをまった。
トミーの話ではズボンをちょっとだらしなくずらした二人組みだからすぐにわかるよ、と言うことだった。
またもや遊びに夢中になって本来の目的を忘れかけていた頃、なんとその二人組みがやってきてベンチに腰をかけた。
僕らは後ろのしげみかくれた。
2人の会話が聞こえてきた。
「面白かったよな、この前プールに犬のふんを入れたの」
「おー!なんだか胸がすっきりしたよな。今度は中学のプールにいれようか。」
「それは駄目だ。俺らが入れないじゃないかよ」
「そうだな!もうなんだか水が入れ替わったみたいだぜ。またうちの犬のふんでも持ってくるか!」
「くせーけどな!」
「確かにな!」
二人はゲラゲラと笑った。
その時だった・・・
テンちゃんが立ち上がった!
「そんな事はさせないぞ!」
テンちゃんはまた空を見上げて腕を組んで口をへの字にまげていた。
僕らあとの3人は口がぽかーんと開いてしまった。
最初その中学生もびっくりしたようだが、すぐにすごく怖い顔になってテンちゃんと僕らをにらみつけた。
「なんだと、こいつ!やる気か!」
「生意気だな!やっちまおうぜ!」
二人が先にテンちゃんにつかみかかろうとした時だった。
「行け!キュン!吠えろ!」
と大きな声がした。そして
『ワン!ワン!ウゥゥゥ!!!!ワン!!!』
と大きな吠える声が聞こえて、キュンがものすごい勢いで駆けてきた。
「やばい!逃げろ!」
と中学生は叫ぶと駆け出して逃げて言ってしまった。
「よし、キュン。もういい」
おじさんの落ち着いた声が聞こえた。
しげみに隠れて腰を抜かしていた僕ら3人と立ったまま固まってしまっていたテンちゃんは同時に
「ふぅーーーー!」と声を出した。
みずっちなんて少し涙が出ていた。
僕は・・・口があいたままだったが。
テンちゃんが言った。
「キュン!ありがとう!おじさん!ありがとう!」
僕らも口々にキュンとおじさんにありがとうを言って交代でキュンを抱きしめた。
いつものようにキュンを公園で遊ばせようとしていたおじさんが僕らが中学生に殴られそうなのが見えてとっさにキュンを吠えさせたそうだ。
僕らはおじさんが通ってくれた事に感謝した。
おじさんは別れるときに言った。
「でも、やっぱり公園でキュンをはなすのは行けないことだな。今日の事誰かが見てたらきっともっと注意をされるだろう。おじさんは君達と友達になったキュンを悪者にする事はできない。明日からキュンにリードをつけるよ」
僕らはおじさんとキュンに手をふってそれぞれの家に帰った。
帰ってから僕はまた目が腫れた。
今度は思いっきりキュンを抱き締めたからかなり重症になった。
もう黙ってられなくてお母さんにこれまでの事を白状させられた。
怒られるかと思ったけど案外お母さんは優しかった。
中学生の事はお母さんから学校に報告してくれるらしい。
キュンを抱きしめた事を言ったら、お母さんは少し悲しそうな顔になった。
「お母さんやお父さんも本当は犬や動物大好きなのよ。勇気はひとっり子だからペットがいたらいいんだけどね」と言った。
そして
「でもね、今度からあとが大変だからさわるのはなるべくやめて見てるだけにしなさいね」
とも言った。
キュンが公園を駆け回るのが好きだと言うと『ドックラン』と言う所がある事を教えてくれた。
結構、近くにあるみたいでおじさんに教えてあげなさいと言われた。
僕はその日夢を見た。
僕とキュンがドックランに遊びにきている。
そして僕がキュンに言った。
「行け!キュン!」
キュンはうれしそうに駆け回りそして僕の方に駆けてきて飛びついた。
僕はキュンを思いっきり抱き締めたけど僕の目は腫れなかった。
どうぞ夢が本当になりますように。
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僕らはおじさんとキュンは犯人じゃなかった事を伝えた。
クラスの皆は今度おじさんとキュンに会ったら声をかけてみようと話していた。
雨が続いている。今日は降ってないけど結構どんよりした空で気温が低い。
どうせプールには入れなかったなと思った時、僕の横の席にいた通称「トミー」と言う女子が声をかけてきた。
「あのね、うちのお兄ちゃんのクラスで最近話題になってるんだけど。お兄ちゃんのクラスの中のちょっとワルの二人組みがさぁ、小学校のプールに犬のふんを入れたって言ってるらしいよ」
なんと!トミーのお兄ちゃんは近くの中学校に通う中学3年生だ。
僕はトミーにその2人組みの名前を聞き、いつも6時ごろに公園の前の道を通る事も知った。
早速、ほくろクラブのメンバーに話をした。
「えーーっ!中学生なんて怖いよ」とみずっち。
「そうだよな。何か言ったら仕返しされそうだよな」とやまさん。
僕はうーんとうなってしまった。
僕だって中学生でおまけに3年生なんて怖い。
最初に犯人を捕まえようぜ!なんて言ってた勢いはどこ吹く風で僕らはちょっと(x_x;)シュンとなってしまった。
その時、僕の横で黙っていたテンちゃんが急に立ち上がった!
「駄目だ!キュンやおじさんのうたがいをはらしてあげないといけない!今日皆で確かめに行くぞ!」
テンちゃんはまたもや手を組んで上を向いて闘志に燃える目をしてした。
そして僕らはつられて言ってしまった!
「おーー!頑張ろうぜ!」
・・・そしてその日の放課後。
僕らはまたもや公園で集まりその2人組みの中学生が来るのをまった。
トミーの話ではズボンをちょっとだらしなくずらした二人組みだからすぐにわかるよ、と言うことだった。
またもや遊びに夢中になって本来の目的を忘れかけていた頃、なんとその二人組みがやってきてベンチに腰をかけた。
僕らは後ろのしげみかくれた。
2人の会話が聞こえてきた。
「面白かったよな、この前プールに犬のふんを入れたの」
「おー!なんだか胸がすっきりしたよな。今度は中学のプールにいれようか。」
「それは駄目だ。俺らが入れないじゃないかよ」
「そうだな!もうなんだか水が入れ替わったみたいだぜ。またうちの犬のふんでも持ってくるか!」
「くせーけどな!」
「確かにな!」
二人はゲラゲラと笑った。
その時だった・・・
テンちゃんが立ち上がった!
「そんな事はさせないぞ!」
テンちゃんはまた空を見上げて腕を組んで口をへの字にまげていた。
僕らあとの3人は口がぽかーんと開いてしまった。
最初その中学生もびっくりしたようだが、すぐにすごく怖い顔になってテンちゃんと僕らをにらみつけた。
「なんだと、こいつ!やる気か!」
「生意気だな!やっちまおうぜ!」
二人が先にテンちゃんにつかみかかろうとした時だった。
「行け!キュン!吠えろ!」
と大きな声がした。そして
『ワン!ワン!ウゥゥゥ!!!!ワン!!!』
と大きな吠える声が聞こえて、キュンがものすごい勢いで駆けてきた。
「やばい!逃げろ!」
と中学生は叫ぶと駆け出して逃げて言ってしまった。
「よし、キュン。もういい」
おじさんの落ち着いた声が聞こえた。
しげみに隠れて腰を抜かしていた僕ら3人と立ったまま固まってしまっていたテンちゃんは同時に
「ふぅーーーー!」と声を出した。
みずっちなんて少し涙が出ていた。
僕は・・・口があいたままだったが。
テンちゃんが言った。
「キュン!ありがとう!おじさん!ありがとう!」
僕らも口々にキュンとおじさんにありがとうを言って交代でキュンを抱きしめた。
いつものようにキュンを公園で遊ばせようとしていたおじさんが僕らが中学生に殴られそうなのが見えてとっさにキュンを吠えさせたそうだ。
僕らはおじさんが通ってくれた事に感謝した。
おじさんは別れるときに言った。
「でも、やっぱり公園でキュンをはなすのは行けないことだな。今日の事誰かが見てたらきっともっと注意をされるだろう。おじさんは君達と友達になったキュンを悪者にする事はできない。明日からキュンにリードをつけるよ」
僕らはおじさんとキュンに手をふってそれぞれの家に帰った。
帰ってから僕はまた目が腫れた。
今度は思いっきりキュンを抱き締めたからかなり重症になった。
もう黙ってられなくてお母さんにこれまでの事を白状させられた。
怒られるかと思ったけど案外お母さんは優しかった。
中学生の事はお母さんから学校に報告してくれるらしい。
キュンを抱きしめた事を言ったら、お母さんは少し悲しそうな顔になった。
「お母さんやお父さんも本当は犬や動物大好きなのよ。勇気はひとっり子だからペットがいたらいいんだけどね」と言った。
そして
「でもね、今度からあとが大変だからさわるのはなるべくやめて見てるだけにしなさいね」
とも言った。
キュンが公園を駆け回るのが好きだと言うと『ドックラン』と言う所がある事を教えてくれた。
結構、近くにあるみたいでおじさんに教えてあげなさいと言われた。
僕はその日夢を見た。
僕とキュンがドックランに遊びにきている。
そして僕がキュンに言った。
「行け!キュン!」
キュンはうれしそうに駆け回りそして僕の方に駆けてきて飛びついた。
僕はキュンを思いっきり抱き締めたけど僕の目は腫れなかった。
どうぞ夢が本当になりますように。
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