おはなしきっき堂

引越ししてきました。
お話を中心にのせてます。

ほくろクラブ株式会社8≪プレゼント・・・その1≫

2007年05月29日 | ほくろクラブ
あの中学生の話を聞いてから1週間ちょっとたった頃僕らは赤城先生に呼ばれて・・・すごく怒られた。
どうやら僕のお母さんから連絡が入ったらしい。
先生は、ちゃんと報告しないで自分達で調べに言った事について延々と怒り、今回の事はハンコはやれない最後に言った。
ただ、あの二人の中学生達の事は中学校でもうわさになっていて、すぐに調べられ彼らがやった事だったとわかったそうだ。
そのあと彼らがどうなったのかは先生は教えてくれなかかった。

職員室から出る前に先生は言った。
「お前達、会社としての活動をちゃんとしてるのか?探偵団ではなかったはずだぞ」

僕達は早速その日、また僕のうちの庭で会議をした。
社長(そう言えばそう決めたんだな)のやまさんが
「今度はどんな事をしようか?」と言うも全然話は決まらず、結局話はどんどん脱線していった。
やまさんは最近、飼犬の『ポンちゃん』をつれてドックランに行ったらしい。
そこでおじさんとキュンに会ったんだと言った。
やまさんちのポンは雑種で白い犬だ。やまさんに似て?とても大きい。でもとてもおとなしくてキュンと一緒でとても賢い犬だ。
僕はいつもやまさんちに行くとポンに挨拶をする。ポンはクルッした尻尾を振って僕に挨拶を返してくれる。僕はさわる事は出来ないけどポンは大好きだ。
キュンとはすぐに親友になったそうだ。
僕は犬も親友と言うのがあるのか・・・と突っ込みそうになったがやまさんがそう言うなら2匹は親友なんだろう。
休みの日はおじさんと待ち合わせをしてキュンとポンを遊ばせようという話になったらしい。2匹は一緒に駆け回りとっても楽しそうなんだとやまさんは言った。
僕らは次にする活動の事なんて全然忘れてキュンとポンの事ばかり話した。

バイクの音がした。
お母さんが帰ってきて僕らは解散となった。
結局何をするか全然決まらなかった。

それから数日立ったある日、僕の横の席の女子の丸山さんが声をかけてきた。
「ねえ、平社員の内田君。ほくろクラブに引き受けてほしい仕事があるんだけど」
僕はなんていいタイミングなんだ!と丸山さんに
「引き受けた!」と言った。
「ばかねぇ!まだ何も話してないでしょ。実は私のおじさんなんだけど森林公園の管理やイベントの仕事をしてるんだけど今度夏休み入ってからすぐの日曜日にあるイベントの準備を手伝ってほしいの。日曜日にあるから用意をするのは前の日の土曜日。本当は私とお兄ちゃんが行くはずだったんだけど急に家族で旅行に行く事になってしまって・・・。そこで思いだしたのがほくろクラブなの!クラスの役に立つのがほくろクラブなんでしょ!だからクラスの困っている私のお願い聞いてよ!」
丸山さんは一気にまくし立てた。
僕は「上司と顧問に聞いて見ます」と返事をした。

森林公園は僕らのうちからバスに乗って10分ほどのところにある。ただ、自転車で行けば30分ほどだ。僕は何回かお父さんと一緒に自転車で行った事がある。

僕はやまさんみずっちテンちゃんとお昼休みに相談した。
やまさんとテンちゃんは大賛成だ。イベントの準備って何をするのかわからないけどなんだか楽しそうだ。
でも、黙り込んでいるみずっちが少し気になった。
「なんだ?みずっち。反対なの?」と聞くと
「そうじゃないんだ。僕もいきたんだ」と少し小さな声で言った。

僕らは放課後赤城先生のところに今度の仕事の依頼の報告に行った。
先生は「校区外になるからちゃんと皆お父さんやお母さんの了解をとること。ただ、あちらでは丸山のおじさんがいるから大丈夫だろう。そうだ、丸山のおじさんは山の植物や生き物の事くわしいぞ。夏休みの宿題の自由研究も一緒にしてきたらどうだ」と言った。

職員室を出て帰ろうとして靴箱のところに行くと丸山さんにあった。
引き受ける事を告げると丸山さんは「早速、おじさんに連絡して詳しい話し聞くわね!」と言った。

僕らはなんだかうれしくなっていろいろ相談しながら帰った。
「自由研究、植物採集なんてどう?そして丸山さんのおじさんに説明聞くんだ」とテンちゃん。
「そうしようよ!いつも自由研究最後まで残って大変なんだ」と僕。
「自転車で行こうな!坂道大変だけど。みずっちついてこれるか?」とやまさんが言って僕らは
振り返った。
笑顔の僕らと対象でみずっちの顔は暗かった。
「みずっち、自転車無理だったらバスでもいいよ」とテンちゃんが言った。
みずっちは少し体が弱い。自転車で坂道・・・と聞いて暗くなったのかと思ったが・・・

「そうじゃないんだ!多分、僕のお母さんが駄目だって言うから」とみずっちが言った。

みずっちのお母さんはみずっちの事をいつも心配している。暗くなるまで遊んでいる僕ら3人とは違いみずっちは少し早めに帰る。
今度のキュンや中学生の事で帰りが遅くなったかなり怒られたらしく、しばらくの間は遊ぶの禁止になったほどだ。

僕らはしばらく黙って歩いた。
やまさんが言った。
「みずっち、今回はみずっち抜きで僕らだけで行く事にするよ。もう丸山さんには引き受けたから。でも、採ってきた植物の整理は一緒にやろうぜ」
「そうだよ。押し花にしたり、調べたりあとの作業はいっぱいあるぜ」とテンちゃん。

みずっちは黙ったままだった。
そして別れるときに
「とりあえず一度お母さんに聞いて見る」と言いながら手を振った。

僕らはみずっちのお母さんが許してくれることを祈って別れた。

僕は夕飯を食べながらお母さんに行ってもいいかと聞いた。
もちろんOKだった。ただ、丸山さんのおじさんの連絡先を聞いてきなさいねとだけ言った。
僕のお母さんはこういった事には反対はあまりしない。
ちゃんと話をして行き先と連絡先を言えばいいのだいつも言う。
みずっちのお母さんは何故反対するんだろう。
僕らはもう6年生なのに。

そのあと帰ってきたお父さんにもその事を話し、みずっちのお母さんは何故反対するのかと聞いた。
お父さんは
「そりゃあ、勇気。うちのお母さんは太っ腹だからなぁ!見た目どおり」と言ってお母さんに持っていた本で叩かれた。
そのあとお父さんと一緒にお風呂に入り、山の中にある植物や虫の話をしているとすっかりみずっちを心配してた事は忘れてしまった。

でも、布団入ってから思いだし、何かの神様にお願いしてみようと思った。
「みずっちのお母さんが許してくれますように」と。
何かの神様って?なにの神様でいいんだ。僕のお願いをきいてくれるなら。

そしてまたすぐに眠ってしまった・・・ZZZZZZ

≪その2へ続く≫
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