退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 2

2015-05-08 07:14:33 | 韓で遊ぶ


おじいさんの借金

田舎の村の国有林管理所に一人のおばあさんが来ていました。
管理所の女性が領収書をくれて言いました。
「おばあさん、やっと終わりましたね。はい、領収書。」
領収書を受け取ったおばあさんの目に涙が浮かびました。1,263,000ウォン。それは死んだおじいさんが、山火事を出した罪で国に納めた賠償金でした。
山へ薬草を掘りに行きタバコの吸殻を誤って捨てたのが災いの元でした。
火は瞬く間に広がりました。
「か、、、か、、火事だ。」
そのことがあった後、病んでいたおじいさんは病床についてしまいました。薬草でも掘らなければ返すこともできない借金1,263,000ウォンを、おばあさんに預けました。
「お前が私の代わりに返してくれ。子供たちには何も言うな。」
おばあさんは目の前が真っ暗になりましたが、おじいさんの代わりに借金を返すと約束するしかありませんでした。おじいさんはその頼みを残して亡くなりました。
「あなた、、、あなた、、、」
そうやっておじいさんがなくなって20年。
約束を守るために背中が曲がるほどに仕事をしましたが、子供たちを学校にやったり食べさせたりと、借金はほとんど減りませんでした。
5,000ウォン返す月も、30,000ウォン返す月もありました。1,000ウォン一枚を分けて支払うくらい苦しい時には、何も持たないで行き、ちょっとだけ待ってくれと、必ず返すからどうか待ってくれてと苦しい事情を打ち明けました。
1,263,000ウォンは江原道の奥地、お金を稼げるところのないおばあさんにとっては、とても大きな金額でした。
そうやってお金を返し始めてから2年目の81年に200,000余ウォンを返して、次の5年目の86年に300,000ウォン返しました。おじいさんの遺言のため子供たちには、何の素振りも見せることができませんでした。
成長した子供たちが借金の帳簿を見て何だと聞くたびに慌てて隠すのが常でした。
そうやって20年が過ぎて、とうとうお金を全部返した日、おばあさんは酒を一本と領収書を胸に抱いて、おじいさんのお墓に行きました。おばあさんは領収書を差し出して言いました。
「おじいさん、私がきましたよ。」
「おじいさん、今、全部返しましたよ。私が悪いから、あなたとの約束を守るのに20年もかかって、、」
重い荷物をやっと降ろして山を下りるおばあさんの頭の上に、夕焼けがきれいに、きれいに広がっていました。
コメント
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