岩手日報より■主要
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2010年02月28日
三陸沿岸に大津波警報 岩手・久慈港で90センチ
南米チリ中部で27日に発生したマグニチュード(M)8・8の巨大地震で、気象庁は28日、日本の太平洋沿岸で1~3メートルの津波の恐れがあるとして、青森県から宮城県にかけての三陸地方の沿岸部に大津波警報を出した。
岩手県の久慈港で90センチなど、北海道から小笠原諸島にかけての広範囲に津波が到達。宮城県気仙沼市沖などに設置された衛星利用測位システム(GPS)波浪計も津波を観測、沿岸部では50センチに達したと推定される。
三陸地方以外の太平洋沿岸全域と日本海側沿岸の一部には、予想される高さが1~2メートルの津波警報を出した。北海道のオホーツク海側や中四国の瀬戸内側、九州の一部沿岸などには予想される高さ50センチの津波注意報。
大津波警報が発表されたのは北海道・奥尻島が津波に襲われた1993年の北海道南西沖地震以来で、警報基準ができた52年以来4回目。
青森県八戸市、岩手県釜石市、仙台市など大津波警報の対象となった東北3県の計28市町村が避難指示。4市町が避難勧告を出した。北海道根室市や東京都小笠原村なども住民に避難を指示。海上保安庁は対策本部を設置した。
政府の緊急参集チームも、自治体との連携を密にし、国民に適切な情報提供をすることなどを確認した。
気象庁地震津波監視課の関田康雄課長は記者会見で「第1波より、後続の津波の方が大きくなる可能性がある。警報は長い間継続することになる。津波と満潮時間が重なることから、浸水の被害が大きくなる可能性がある」として、高台に避難し、海に近づかないよう警戒を呼び掛けた。