トライアスロンは、スイム、バイク、ランの三種の競技を継続して行う競技だ。アイアンマンと言われるトライアスロンは、スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmをこなさなければ、ゴールにたどり着けない。運動にそれほど縁の無い普通の人ならば、とてもムリムリ、ましてもう歳だから・・・・という反応が一般的だろう。しかし、実際のレースになると多くの中高年が存在する。しかも、経験5年未満の比較的初心者が多い。
佐渡トライアスロンA(アストロマン)クラス、スイム4km,バイク190Km、ラン42.195Kmなので、アイアンマンを超える距離を消化しなければならない。参加者リスト1007名中、40歳未満は、わずか154名。約85%の853名が40歳以上の中高年だ。ふつうの世の中の常識?と大きくかけ離れて、こんなにたくさんの中高年が、どうしてこんなアホなことをやるのか?自らの動機を含めて、見つめなおしてみた・・・・
*エイジグループがある…
多くの他の競技と異なり、エイジの表彰がこの競技にはある。加齢による引退とは無縁なアマチュアスポーツなのだ。それに「同世代の中でも、オイラは別格??」という自己満足…オイラ○○歳でもこの肉体とアピールできるビジュアル競技である。
実際に首から下だけを見たら年齢不詳の♂と♀がいかに多いことか・・・・つい騙されそうになる♂おやぢ・・・しかしそれは♀であっても思う事?感じることは同じと思われる・・・・
エイジグループがある競技は、まさに生涯スポーツという名前が相応しい。
*新たな進化……
年齢を重ねての新しいチャレンジは、なかなか勇気がいることだ。時として自らのプライドをズタズタにされる事もある。でも、ソレを克服した時の快感は、何事にも代えがたい……初めて泳げた500m、初めて完走したハーフマラソン、自転車で100km走れるんだという発見・・・・そして自らの新しい可能性に目覚める。同時にそれが可能な環境である事に気がつく(要は子育てが終わって、自らの為に使える金が増えるといくこと)気が付いたら、オリンピックディスタンストライアスロンを完走して、三時間切りを達成したいと思い始めたり、フルマラソンに挑戦してみたり、自分の倅ほどの若者に勝っている自分を発見したりすると、またエスカレートして、宮古島とかアイアンマンに走ってしまうのだ……
「俺って、まだまだイケる!進化できる!」なんて、内心思っている輩が多いんだよ(笑)
*加齢に抗う!?
「もう歳だから・・・」という言葉は、トライアスロンをやっている中高年からは、ほとんど聞かない。口にしたとしても内心は違う。去年の自分に勝つ、自分を目指す・・・・そうライバルは自分自身なのだ。若い時にトライアスロンをやっていないからこそ、PB(プライベートベスト)の記録が、毎年出たり、或はあとチョットだったりして、ど壺にハマってしまうのだ。
*会社以外の人間関係
仕事に追われる多忙な年齢を過ぎ、役職定年を迎えたり、退職等で責任から解放された時、 やっと自由に好きな事にチャレンジできると思うタイプと自己喪失感を苛まれるタイプに大別される。トライアスロンは、3種目をこなさなければならないので、様々なノウハウが必要。必然的に情報収集するために自然と幅広い年齢の仲間が増える。会社という組織では経験できないような、オープンな関係が魅力でもある。他人の頑張りに対して、嫉妬でも妬みでもなく、素直に応援できて、元気をもらって分けあってお互いそれを感じあうことは、おそらく多くの中高年がハマってしまう魅力のひとつだ。トライアスリート同士は、自然に握手してしまう!
*生活習慣病からの脱却
中高年になって、健康診断をすると、いくつかの項目にNGのマークを付けられることが多くなる。BMI、血糖値、高血圧、コレステロール、尿酸値、肝機能、中性脂肪・・・・要再検査とアドバイスされ、病院にいけば、『タバコ止めなさい、食事気をつけなさい、運動しなさい、酒減らしなさい、ダイエットしなさい』なんて、あなたもメタボじゃないの?!思われるような医師から宣告される。ゴルフはやっていたけど、運動量が不足らしい、ジムにいくのか?朝ウォーキング?マラソンなんてムリムリ、ジョギングだってキツイ、えっ!?筋肉も鍛えなくちゃいけないの!?三日と続きません・・・・がマジョリティらしいが、その中で一部の人間が、痩せた!汗かくことキモチイイ!楽しい!なんて思い&発見して、泳げた!走れた!んっ!?あと自転車でトライアスロン!ママチャリ乗れるから、なんとかなるかも・・・・なんて安易・・・いやポジティブな発想でこの世界にいらっしゃることになるのだ。そして気が付いたら、10kg痩せたなんてのは、周りに普通に居て、健康体の中年細マッチョが出来上がったりしているのだ。
ただ注意しなければいけないのは、”運動しなさい”といわれて、マジメな中高年は既往症があるのに追い込みすぎて、悪化させる可能性がある。多くの医者は”運動しなさい”とは言うが、具体的なアドバイスをしてもらえないのが現実だ。運動に理解のあるメタボじゃない(笑)専門医に相談してから始めた方がいい。オイラの場合には、そんな専門医が身近にいたのが、今でも続けられる要因だ。
*♂も♀も皆チャーミング
チャーミングって言葉は、若い綺麗なお姉さんに対する言葉のように一般的には解釈されるが、オイラは中高年のアスリートにピッタリの言葉だと思っている。あんな苦しんだ佐渡Aを完走したお姉さま達、もう来年のAを考えているなんて、チャーミングすぎる・・・・オイラは、もうAで・・・・ごちそうさま・・・・
参考までに、トライアスロン仲間であり主治医です。
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