認知症の大多数を占める「アルツハイマー型認知症」は、認知症を扱うのが専門の精神科医や研究者たちの間で、「原因も分からないし、治すことも出来ない病気」とされています(多数出版されている認知症に関する書籍でも、多数開設されているブログの記事でも同様です。基本的に、原因不明で治らない病気として扱われています)。
(ここで、コーヒー・ブレイク) 書籍やブログの記事の中で、「認知症の回復とか予防」という言葉が使われていることがありますが、それは、アルツハイマー型認知症以外のタイプの認知症に使われているにすぎません。一番良く使われているのは、脳血管性認知症の場合です。その予防方法としては、調和のとれた食事、適切な運動、十分な睡眠などがテーマに取り上げられているようです。
ところが、周りのお年寄りの生活実態をよく観察して見ると、多数を観察すればするほど、「専門家が言っていること及び診断や研究の対象としていること」と「実態」とは違っていることが分かります。皆さんも、周りのお年寄りの生活振りを良く観察してみてください。
昨日まで普通に生活できていたお年寄りが、一晩寝たら、突然身の回りのことも出来なくなり、ズボンを頭から被ったり、住んでいる家が分からなくて徘徊したり、同居している家族の顔も名前も分からなくなったりはしないのです。
つまり、同居して一緒に生活している家族に、状況や生活ぶりを詳しく聞いてみると、最初に「ちょっとおかしいな」と気づいたときから3年以上、時には7~8年もかかって症状が次第に重くなってきていることがわかります。
最後の「重度の段階」、(N-51)で取り上げる例に見られるような末期の症状を示す段階が、せっかく見つけても手遅れの段階、「原因も分からないし治すこともできない」とされている「重度認知症」(大ボケ)なのです。
この段階になると脳の器質的変化が起きてきているため機能は元の正常レベルに回復することはもう出来ません(N-05を読み返してみてください)。症状がこの重度の段階にまで進んでからお医者さんが見つけているので、「原因も分からないし、治らない」と言うことになってしまうのです。
(再度、コーヒー・ブレイク) 末期段階の重度の症状が出てきて、どうにも手に負えなくなって初めて、家族が病院に連れて行くのです。そのために、アルツハイマー型認知症は「原因も分からないし、治らない」という誤解が精神科医の間に広まり、それが世間の常識にされてしまったのです。
「アルツハイマー型認知症は、治らない病気」なのではなくて、「発見が遅すぎるために、治らなくなっている」だけなのです。その他の一般の病気と同じように、「早期発見と早期治療が大切な病気」なのです。
それだけで、驚かないでください。後の報告で詳説しますが、「予防」することもできるのです!
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