認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

「不活発病」の正体と回復方法(A-12)

2012-03-19 | アルツハイマー型認知症の原因

私たちの「脳機能データ」を基に考えると、昨年の東日本大震災を被災されたお年寄りの何割にも相当する多くの人達を対象(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけが対象)にして、今後5~6年が経過すると、「アルツハイマー型認知症」に特有の、且つ極めて重い「症状」の発現が確認されるようになってしまうのです。

同居していた家族や兄弟、住居や家財や家畜、田畑や店舗や舟や車を含む財物、野山や海岸、大切な風景や想い出、職場、それらの全てを一瞬の内に呑み込み奪い去って行った未曽有の災難、東日本大震災の被災を「キッカケ」にして、何事にも意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な毎日の連続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続していると、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、その先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているのです。その最初の段階が私たちの区分で言う「小ボケ」の段階であり、次いで、「中ボケ」の段階が有り、最後に、末期の段階である「大ボケ」の段階へと症状が進んで行くのです。

被災を「キッカケ」としてナイナイ尽くしの単調な生活が始まり、キッカケから半年から1年が経過するまでの期間が発病までの期間(意欲の喪失の程度によりこの程度のタイムラグが生じる)であり、小ボケの期間が3年間、中ボケの期間が2~3年間で、最後は、末期の段階である大ボケの段階に入っていくのです。「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体の活性化を目的とした、脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫とその実践を言う)により回復させることが比較的容易な段階が小ボケの段階であり、未だ可能である段階が中ボケの段階であり、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで「前頭葉」のの機能を含む脳全体の機能レベルが衰えてきてしまうと、もはや回復させることは困難となり、「介護」の道しか残されていないのです。その「大ボケ」の段階で初めて「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断しているのが、医療現場の実態と言うことなのです。

 回復させるのが比較的容易な軽度の認知症の段階(小ボケ)は、研究者達が「不活発病」という名で呼んでいるものであり、認知症の専門家達が「老化現象」と混同しているものが中等度の認知症の段階(中ボケ)であり、末期の段階である重度の認知症の段階の症状の発現の確認に加えて、重度の「記憶障害」の症状の確認が「アルツハイマー型認知症」と診断する上での第一要件だと思い込んでいる精神科医からは、小ボケ及び中ボケの段階の症状は、認知症の症状とは見られていないのです。

廃用性の「生活習慣病」(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)をその本態とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることができる(症状を治すことが出来る)ものなのです。世界中の認知症の専門家達が『「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来ないタイプの認知症である』としているのは、病気それ自体の性質によるのではなくて彼らが見つけて居る段階が遅すぎるだけのことなのです。彼らは、末期の段階であり私たちの区分で言う「大ボケ」の段階でしか「アルツハイマー型認知症」を見つけることが出来ないでいるが為に、『治すことが出来ない』と誤解しているだけなのです。

 そこで、被災地に居住する高齢の人達は、前回の報告(N-07)で提案した、「1日5000歩」を目安に、「速足での散歩」をとりあえず始めてほしいのです。 

自身の「生きがいや喜び」につながるような「テーマ」や「目標」に取り組む生活があった方が、「前頭葉」の活性化にとってより効果的なのですが、被災地の高齢者にとっては、現在おかれている環境を考えると到底無理なことでしょう。

そんな人達であっても、仮設住宅で知り合った人達と一緒に、「一日5000歩」を目安に「速足での散歩」を日課とすることなら、無理なことではないでしょう。散歩をする時、意識的に膝を高く上げるようにすると、脳への刺激が一層高まります。

実は、これを日課として「数ケ月から半年の間」続けることで、「不活発病」という名前をつけられているレベル、私たちの区分で言えば「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)のレベルから、の正常なレベルに回復してくることが出来るのです。半年を回復の目安にして、頑張ってみてください。

「軽度認知症」(小ボケ)を脳の機能の面から説明すると、左脳、右脳と運動の脳はすべて正常レベルにあって、最高次機能である司令塔の「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに衰えてきている段階なのです(「アルツハイマー型認知症」における脳の機能の衰え方とその特徴に関するデータは、後ほど開示して説明します)。従って、「小ボケ」のレベルから「正常なレベル」に回復させるポイントは、「前頭葉」の出番が多くなるようなテーマを日々の生活に取り入れ、「前頭葉」機能の「3本柱」である「意欲」と「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能をしっかり使ってやることなのです。3本柱の機能が元気を回復することが、「前頭葉」の機能が元の正常レベルに回復することに直結しているのです。

「速足での散歩」が脳を活性化させるメカニズムについては、(N-07)の報告で、詳しく説明してあるので、読み返してみてください。 

 注)本著作物(このブログA-12に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)

 




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする