認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症は、治せる防げる(A-15)

2012-03-22 | アルツハイマー型認知症の三段階の症状

認知症の大多数、90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」は、症状が軽い段階、「軽度認知症」(小ボケ)や「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つければ、脳のリハビリ(脳の使い方と言う視点からの「生活習慣」を改善すること)によって回復させることが出来るのです。早期発見・早期治療が鍵の「生活習慣病」なのです。その上、「予防」することもできるのです。

アルツハイマー型認知症に対する「予防」や「回復」が、国民的なテーマとして認識され、「個人や家族単位」或いは「地域単位」で、全国レベルで「生活習慣」の改善に取り組むことになれば、破綻の危機にある介護保険の財政状況を大きく改善させることも可能になるのです。

世間一般の人たちは、どうしても「権威に弱い」と言う傾向があります。有名大学の医学部の教授とかが出てきて、テレビの番組で話すと、内容の実際のレベルはさておいて、その人が話したことを「正しいもの」と信じてしまいます。まして、認知症に関してとなると、その傾向はいっそう強まります。世間で権威があるとか、専門家であるとか言われている人たちの誰もが、「アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らない病気」だと書物で書いているし、権威のあるテレビ局の番組に出てきてそのように語っていますが、それは間違った見解なのです。

 これまでに、このブログで何度も指摘してきたように、最初に注目すべき軽い段階の症状、脳の司令塔の「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えていて、高次機能の左脳も右脳も未だ正常なレベルにある段階で認知症の症状が発現してくる「軽度認知症」(小ボケ)に注目すべきなのに、そのことに気づいていないのです。「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の機能が加速度的に衰えていき殆ど機能しなくなってくる段階、そして高次機能も異常なレベルに衰えてきて、いきついた最後の段階、末期の症状を示している「重度認知症」の段階になって初めて、認知症と診断しているのです。「重度の記憶障害」の症状が出ているとか、「失語」とか「失行」とか「失認」とかの末期段階に見られる「重度の症状」が出てくるようになって認知症と診断していたのでは「遅すぎる」のです。せっかく見つけても「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治らない」病気という結果になってしまうのです。

私たちのデータと根拠からすれば、「アルツハイマー型認知症」を治せる薬とは、異常なレベルに機能が衰えている前頭葉の機能を正常レベルに引き戻すことが出来る薬と言うことになります。意識的な行為の世界をコントロールしている、脳全体の司令塔の前頭葉の機能から見たとき、そのような効能を持った薬が開発できるとは考えられないのです。自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。アルツハイマー型認知症は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維)に支障があるのではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を発信してやる前頭葉等の機能)に支障が起きてきたこと(「廃用性の機能低下」)により、正常に働かなくなったことが原因で発病する(「認知症」の症状がでてくる)病気なのです。「廃用性の機能低下」が原因で異常なレベルに働きが衰えている訳なのだから、正常なレベルに引き戻す方法は、日常生活のいろんな場面で、前頭葉の出番が増えるようなテーマ、趣味や遊びや人づきあいや運動を楽しむこと、目標や生き甲斐がある生活を送ることしかないのです。但し、「重度認知症」の段階にまで脳の機能が衰えたら、回復させることはもう期待できないのです。

「器質的変化」が本質の病気だと誤解しているために、「アルツハイマー型認知症」に効く薬が開発できるかもしれないと研究者たちは考えてしまうのです。多数のデータの分析と根拠に基づき、私たちがこれまでに指摘しているように、「機能的変化」(廃用性の機能低下)が本質の病気だとすれば、脳を十分に使ってやりもしないナイナイ尽くしの「単調な生活」をしていて、飲むだけで効くような、そんな薬はあり得ないのです。

前頭葉は、脳全体の司令塔として、左脳や右脳や運動の脳と協働しつつもそれらを主導して意識的な世界をコントロールしています。

 左脳も右脳も未だ正常な機能レベルにあっても、コントロールタワーである「前頭葉」の働きが異常なレベルにある「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、脳の機能レベルのアウトプットである意識的な行為や言動は、既に「認知症」のレベルの「症状」として発現しているのです。専門家と言われる人達は、早くこのことに気付いてほしいのです。認知症に移行する確率が高いとして最近取りざたされるようになった「軽度認知障害」という考え方についても、上記の視点から良く見直してほしいのです。

 

 もしも、認知症の研究を専門にしている人たちがこのブログを読む機会があったなら、脳の「重度の萎縮」が認められるとか、アミロイドベータやタウ淡白による「老人斑の生成や神経原繊維変化」などが認められ,器質的変化が認められるような重度の段階ではなくて、器質的変化は未だ認められないが、「前頭葉の廃用性の機能低下」だけが認められるようになるもっと軽度の段階に焦点を当てて欲しいのです。

 「解剖所見」から出発して「アルツハイマー型認知症」の原因を考えるのではなく、方向を転換して、生きている脳の全般的な機能低下、しかも司令塔の「前頭葉」機能の廃用性の機能低下に注目してほしいのです。その場合は、CTとかMRIとかで脳の形を調べるのではなくて、「神経心理機能テスト」でもかまわないので、脳の働き、特に「前頭葉の働き具合」を、きちんと調べてほしいと思うのです。  

  注)本著作物(このブログA-15に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。    

 エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)


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