転がり込んだWALKMAN(1)

   突然、私のところにWALKMANがやってくることになりました。長男がiPod nanoを買ったことでそれまで使っていたWALKMANが私のところへシフトしてきたというわけです。
  iPodが登場するまではWALKMANは長い間、携帯型音楽プレーヤーとして最右翼だったと思っているのですが、やはりiPodシリーズのほうが格好いいんでしょうね。「WALKMANとiPod。どこが違うんだい」と訊いても彼は明確に答えません。流行だけの問題でしょうか、それとも音楽の聴き方やライフスタイルに変化があるのでしょうか。おじさんにはよくわからないところです。
  ずっとずっと昔、カセットテープが普及し始めた頃、カセットテープは紙ケースに入っていました。やがて、プラスチックケースに入るようになった頃、ケースを開けながら、カセットプレーヤーがこれくらいの大きさになったら便利なのになと夢のようなことを思ったことがありました。数年後、そんな製品が売り出されたのです。WALKMAN。
  確か1979年。秋ごろにブームになってなかなか手に入らない初代ウォークマンを友人Ｔが購入し、正月に私が初めて九州へ旅行するときに、「これをもっていく？」と貸してくれたのでした。もちろん、道中でも九州内でもヘッドホンをつけて歩いている人などほとんどみかけず（考えてもみてください。ヘッドホンというブツはあっても、歩きながら使えるはずはないのですから）、おのぼりさん状態でした。
  それから各社から同様製品が販売され、どんどん小さくなって、やがてCDやMDが…。 （つづく）