一つの記事を例にあげます。
BBC
ロシア、ウクライナ情勢の緊張緩和のため条件提示
2021年12月18日
https://www.bbc.com/japanese/59707863
これを読んで「おかしい?」と思った人は、2000年代の東欧とロシアの関係(ないし情勢)を知っている人です。知らなければ、何も疑問を持たずに内容を受け入れると思います。
私も9月までは、何の疑問も持ちませんでした。その後、やや疑問を持ち2000年代の東欧とロシアの関係(ないし情勢)を調べました。
そのため今では、この記事の欺瞞が分かります。この記事だけ読んでも全然分かりません。
旧ソ連崩壊時から現在に至るまでの過程があります。その過程を切り取って隠します。どの時点かからその過程を急に始めます。それ以前の分は、完全に隠して出しません。隠し方も念入りです。
これが、「ウクライナ紛争に見る事実の歪曲と捏造の手口」です。恐らく他の全ての問題に似たような部分が含まれています。「ウクライナ紛争」に関しては自分で調べて一応の知識がありますから、嘘や捏造が分かります。その知識が無ければ分かりません。
簡単に言うと時間をかけて少しづつ内容を変えていきます。3年5年と時間が経過すると随分、内容が変化します。最後には、まるで正反対の内容になります。そして正反対の内容に置き換わった時点で、それ以前の推移を隠してその時点以後の事を一気に大々的にメデイアを総動員して報道(大規模拡散)します。
こうしてある事実を正反対の内容に置き換えて、刷り込んでしまいます。
ここ2か月ぐらいかけてウクライナ紛争の経緯を調べてきたら、このような「事実の歪曲と捏造の手口」が理解できました。
※どこに捏造があるか?
他にもあると思いますが、一番簡単に分かるのは・・
『アメリカをはじめ西側諸国が、ロシアによるウクライナ侵攻への危機感を高める中、ロシアはウクライナ侵攻の可能性を否定する一方で、ウクライナやジョージアなど位置的にロシアに近い国々がNATO加盟国となる可能性を封じようとしている。』
一番問題になっているのが、ウクライナのNATO加盟です。記事を読むとそれが当然で正しいと思うでしょう❓
ところが、これが究極の「掟破り」です。
元々旧ソ連から独立した国々には、ロシアとの約束事があります。中立を保ち、ロシアに敵対的な軍事同盟に加入しないことです。
だからアメリカにせよNATOにせよ、ウクライナやジョージアをNATOに加盟する事は考えていませんでした。ロシアと激しい対立を生じるのが分かり切っているからです。
「掟破り」の端緒を作ったのが、ブッシュJr大統領です。
『2008年4月にルーマニアの首都ブカレストで開かれたNATO首脳会議』
https://toyokeizai.net/articles/-/578952?page=2
この会議では、時のブッシュ・アメリカ大統領が旧ソ連のウクライナとジョージア(旧グルジア)のNATO加盟を提案。ウクライナとジョージアもNATO加盟を明確に表明した。
※関連記事
2022年03月15日
プーチンのウクライナでの行動は卑劣だが、ロシアはNATOにひどく挑発された
https://toda.org/jp/global-outlook/putins-actions-in-ukraine-are-vile-but-russia-was-sorely-provoked-by-nato.html
2022/04/03 9:00
ウクライナ戦争「アメリカが原因作った説」の真相
https://toyokeizai.net/articles/-/578952?display=b
つまり、2008年4月ブカレストで開NATO首脳会議までは、ウクライナとジョージアもNATO加盟の話はありませんでした。それを強引に決めたのが、当時のブッシュ大統領です。この時はフランスとドイツが反対しましたがブッシュ大統領が強引に押し切りました。
その後、これを既成事実化していったのがオバマ政権時代のバイデン副大統領です。
尊厳の革命
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8A%E5%8E%B3%E3%81%AE%E9%9D%A9%E5%91%BD
革命と書けばキレイですが、アメリカが主導してウクライナ国内の親アメリカの過激右翼や過激民族主義者に起こさせたクーデターです。
『なお、このクーデターに背後でアメリカが関与していたことを、当時のバラク・オバマ米大統領が明言している』
親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領を追放して、親アメリカ派のペトロ・ポロシェンコが大統領に就任します。
ペトロ・ポロシェンコ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B3
詳しくは省きますが、この時代にウクライナのNATO加盟が憲法に書き込まれ国是となっていきます。外交方針を憲法にまで書き込んでいるんですよ❓
要は2014年クーデター後、急に強引にNATO加盟が国是になりました。
それ以前は、ウクライナにおいてNATO加盟は重要課題ではありませんでした。
この流れを後押ししたのが、当時の副大統領のバイデン氏です。
そして、この直後(クーデター)クリミア侵攻が行われ、ドンバス紛争が始まりました。ウクライナ紛争は、この時点で始まっています。
ここまで話を聞いて❓
『アメリカをはじめ西側諸国が、ロシアによるウクライナ侵攻への危機感を高める中、ロシアはウクライナ侵攻の可能性を否定する一方で、ウクライナやジョージアなど位置的にロシアに近い国々がNATO加盟国となる可能性を封じようとしている。』
これを読むとアメリカとNATOが強引にウクライナをNATOに引き込もうとしてきた事が分かると思います。
「掟破り」が、何だか正しく思えるでしょう❓
こうやって色々と・・・
「ウクライナ紛争の事実の歪曲と捏造」を行って❓
本当は小汚いウクライナにキレイなコテコテの厚化粧をして❓
「ウクライナ絶対正義!」
「ロシア・プーチン極悪!」
の「超嘘つきプロパガンダ」を完成させたという訳です。
しかし、余りにも嘘が多すぎるから事情が分かる人には嘘にしか見えません。
本当に見える人は、プロパガンダとフェイクニュースに完全に騙されています。
BBCまでそう書けば、普通は本当に思いますよね❓
西側の情報や報道も、中国やロシアとほとんど同じです。どっちも自分に都合がいいように事実を捻じ曲げて盛大なプロパガンダとフェイクニュースで胡麻化そうとします。
西側は、正しい振りをしてやるから悪質さの度合いが高いと言えます。今、昔と違い西側も中国やロシアと全く同じです。