ワグネルは撤収と見せかけてクーデーターの機会を狙っている──元ロシア軍情報部門将校
2023年6月5日(月)16時37分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/06/post-101812_1.php
去年から、イーゴリ・ギルキンはワグネルを批判し最近では謀反を警告しています。
ワグネルのエフゲニー・プリゴジンの方も、ロシア軍批判を繰り広げています。
正確に言うと、国防相のセルゲイ・ショイグと制服組トップのワレリー・ゲラシモフ参謀総長を批判しています。
当然ながらイーゴリ・ギルキンは、セルゲイ・ゲラシモフの別動隊です。
(もちろん黙っているはずもなく?)
ワグネル創設者プリゴジンがロシア軍部に反旗? 国防省トップの「犯罪」調査を検察に要請
2023年6月1日(木)11時19分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/06/post-101782.php
嫌がらせも忘れません。
ワグネルは、去年の8月からバフムト攻略の中心を担ってきました。やっとバフムト市街は大方占領できたのでロシアの正規軍に引き渡して、バフムトから撤退しました。
ワグネル、バフムートから撤退開始 創設者「休んで次の任務に」
https://news.yahoo.co.jp/articles/048056a9636d0764d8710db5eb5df5df0722b46a
プリゴジン氏「ワグネルがベルゴロド州守る」発言で波紋 ロシア軍関係者は警戒
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2a3d815129b9d3bfb81ed4f328a1955a35c7685
このようなプリゴジンの発言があります。そこでイーゴリ・ギルキンは謀反を警告しているわけです。
ワグネルには、本来のワグネルの傭兵と囚人兵を合わせると2万人くらいの戦闘員がいると思われます。ベルゴロドの国境守備に行くとそこは、ロシア国内です。モスクワまでは400km少々。ワグネルに謀反の意図があれば、危険がモスクワに近寄ることになります。
そしてロシア国内での多数派工作を行うのにも便利です。当然、ロシア軍のボロ負けぶりに激怒しているロシア軍内部の反主流派もいると思います。
ロシア軍の高級幹部(各地方軍管区の司令官クラス)の左遷や更迭もかなり行われました。そして無能な幹部が昇進しています。ウクライナ紛争で功績のあった司令官や大将は左遷か冷や飯ぐらいです。
この人事をやっているのが、現在のロシア軍の主流派の「セルゲイ・ゲラシモフ」ラインです。
ワグネルのエフゲニー・プリゴジンがロシア軍内部の反主流派と組んで何かを企図する可能性は、十分あり得ることです。
ロシア国内にある巨大な石油や資源の利権の再分配を試みる者は、少なくないと思います。新興財閥にしてもロシアの軍事侵略のおかげで随分、利権を削られました。同じ動機を持つものは、沢山います。
だから、主流派は心配になるわけです。