「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

南ドネツク戦線>ロシア軍がヴェリカ・ノボルシカの三方向包囲を形成中、他の戦場<2024・12・03

2025-01-11 17:09:31 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

その前に他の戦場について・・・
①クピャンスクのオスキル川東岸
航空万能論
2024・12・1
『ロシア軍が再びオスキル川を渡河、クピャンスク方面ドヴォリチナ付近に上陸』

https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-cross-the-oskil-river-again-and-land-near-dvorichina-in-the-direction-of-kupyansk/

ウクライナ軍は、クピャンスク市街東岸に侵入したロシア軍には撃退に成功したようです。
しかし、ロシア軍は同時にクピャンスクのオスキル川北の方で渡河作戦を実行しました。
クピャンスクの北にあって、広い市街地を持つウクライナ軍の拠点が「ドヴォリチナ」です。
最初は、ドヴォリチナの近くの東北方向で渡河して、面積は少ないですが、まだ橋頭保を維持しているようです。
次にドヴォリチナの少し南の地点でも渡河して、ここでは最大2km程度前進して、今の所どちらのロシア軍も排除できていません。

特に南で渡河した部隊は占領地を広げつつあるので、ここにロシア軍が根拠地を築くことに成功するとドヴォリチナ攻撃の拠点が出来ます。
仮にここを制圧されると幹線道路のP-70が遮断され、P-70を南下してクピャンスクを攻撃するルートが開けます。
かなり、危うくなってきました。

オスキル川東岸を南に下った地点では、川の東岸まで突破したロシア軍が占領地を、こつこつと拡大中です。見ていると嫌になるくらい地道にやっています。

②チャシブ・ヤールの市街でも少しずつ占領地を拡大しています。南の方でも運河の東岸まで進出しています。
バフムト北部では、少しですがスラビャンスク方面に進撃する気配を示しています。

③トレツクの市街戦は膠着状態ですが、若干ロシア軍が進みました。
これらの戦場では、ロシア軍は増援部隊を送らずに現地の部隊が戦っていると思います。そのため進撃速度が、ごくゆっくりです。
以上の戦況図が出ている記事
2024・11・30
『目を覆いたくなる東部戦線の惨状、どこまでウクライナ軍は下がるのか』
(※この記事の末尾に11月1か月だけでロシア軍が占領した地域が濃い黄色で示されています。それを、見ればドネツク南部戦線とドネツク中部戦線は、もう「終わってる」のが分かると思います。3か月続けば、どうなります❓)


④南ドネツク戦線のヴェリカ・ノボルシカ
2024・12・0
『ロシア軍がヴェリカノボルシカに繋がる主要道路3本のうち2本を遮断』

略図の4枚目です。
この前の日記で取り上げた時は、ルートT-0518の東側に若干空間が残っていました。
その次の戦況図は省略しましたが、南北方向の主要道路T-0518のすぐ東までロシア軍が面的に接近しています。地図上で南北の距離を目測すると15km位あります。かなり広いです。
そこから考えると、このエリアには市街地の外にはウクライナ軍の防衛部隊は、余りいないことが分かります。

ルートT-0518の近くまで詰めておいて、北のノヴィ・コマールまで一気に西に突破したのが、この戦況図です。
見た感じヴェリカ・ノボルシカの北数kmの位置ですから「終わってる」感があります。
ウクライナ軍の方に多少でも兵力の余裕があれば、ここは何が何でも守ると思います。
戦闘地域の推測域を見てもノヴィ・コマールの全域が入っているのでロシア軍が制圧するのでは、ないかと思います。

ヴェリカ・ノボルシカに北から来ている補給路が幹線道路のT-0518とその西のルートO-0509です。
両方、一遍に物理的に遮断されました。
そしてノヴィ・コマールから更に西に進撃するとヴェリカ・ノボルシカとその南の集落を三方向から包囲することに成功します。

ヴェリカ・ノボルシカに西のザポリージャ州方向から来ているのがルートO-0510です。
南のロシア軍の占領地からの距離は、目測で4km位です。もう大隊が持つ迫撃砲の砲撃範囲です。ドローンなら楽に射程範囲です。
もう残り1本しかない補給路のO-0510が、この状態ではヴェリカ・ノボルシカの補給は、ほぼ絶たれたと同じです。
三方向包囲が完成し包囲網が狭まる前に撤退しないと、ルートO-0510すら危険な状態ですから、撤退すら不可能になります。

ロシア軍は、ヴェリカ・ノボルシカに一帯を12月中に制圧する心算のようです。補給をほとんど絶たれてしまえば、長くは抵抗できません。
もっとも、このエリアではウクライナ兵の逃亡が続出していると思いますので、自主的に撤退する兵士がもう増えているかもしれません。そう考える理由は、ロシア軍の進撃が異常に速いからです。かなりの数のウクライナ兵が逃亡しているとしか、考えようがありません。

ここまでのロシア軍の進撃速度から考えると、残っていると全滅か捕虜ですね。ロシア軍が、ノヴィ・コマールの西に突出する前に逃げないと逃げ道が無くなると思います。
道路の両方向で4km程度地点まで迫られれば、迫撃砲に撃たれ放題です。
4km地点でロシア軍が静かにしているとも思えません。

※ここに比べるとクラホベ方面は、それほど早くありません。年内の予定は、クラホベ市街全域とその南のポケットの制圧程度だろうと思います。
年明けのロシア軍の第1目標は、クラホベ西の「アンドリイフカ」になりそうです。
ヴェリカ・ノボルシカとアンドリイフカが陥落すると、もうウクライナ軍の大きめの拠点は、北にあるポクロウシクだけになります。
ヴェリカ・ノボルシカ~クラホベ~アンドリイフカ~ポクロウシクの順番が予定されているかもしれません。

ポクロウシクは放置してセリダブの西方向に進撃するケースも考えられます。
ロシアの将軍が、「どっちにしようかな💛」と悩んでいるのが見えるような気がします。
まあ、どっちにしても来年がウクライナにとって良い年になることは、100%あり得ません。
人命を尊重するなら❓

 

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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