「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

日本のマスコミが報道しないルーマニア議会選挙<2024・12・03

2025-01-11 17:14:27 | ヨーロッパ

ウイキペデイア「ルーマニア議会」
と、今回の99%開票段階での各政党獲得議席数概算です。

まずルーマニア代議員議会(下院)
比例代表制で定数330、左が改選前議席数、右が改選後議席数

社会民主党110 ⇒22%73議席(ー37)
国民自由党93 ⇒14%46議席(ー47)
ルーマニア救国同盟(中道右派)55 ⇒10%33議席(ー22)
(大統領候補エレナ・ラスコニ氏の所属政党)
ルーマニア人統一同盟33 ⇒18%59議席(+26)
(大統領候補ジョルジェスクの所属政党)
ハンガリー人民主同盟21 ⇒6%20議席
少数民族同盟18 ⇒❓

議席がなかったと思われる政党
極右SOS7%21議席(+21)
極右POT5・5%18議席(+18)

これまでの連立与党が、社会民主党と国民自由党です。
両方合わせてー84議席
大統領候補に残った救国同盟(ラスコニ)ー22議席
有力とみられるジョルジェスクの統一同盟+26議席
極右2党+39議席

こうして実際に改選前と改選後を議席の増減で見ると、ルーマニア議会の激変ぶりが、はっきり分かります。

政権与党と与党寄りと思われる救国同盟の議席減が、合計で330議席のうちの106議席です。

マスコミの報道を見ると、連立与党の社民党が第1党を守って「良かったね!」と読めると思います。
中身は、連立与党が大きな議席減で「どうするの❓」の話です。
大統領候補のラスコニが、ジョルジェスクにリードされている理由も分かります。
従来の政党は、「ダメです!」と言うルーマニア国民の声が聞こえてきます。

トランプの例と同じですね❓
政権与党が、かなりの手段を使ってジョルジェスク潰しを図ったようですが、ルーマニア国民はジョルジェスクを支持しているようです。

このような流れが見えてきます。
一連の欧米を含めてマスコミの報道を読むと、ジョルジェスクが不正をしたり、ロシアが介入したような書き方です。
実際には、政権与党のジョルジェスク潰しが失敗してジョルジェスクがルーマニア国民の支持を集めている構図が見えます。

12月1日が議会選挙です。
散々、ゴタゴタのあった後の議会選挙でルーマニア国民は、このような投票を行いました。
連立与党と対立する大統領候補のラスコニの政党が、ボロ負けです。

おそらくルーマニア議会選挙は、民主的に行われたのだろうと思います。12月8日の決選投票も民主的に行われるのであろうと思います。

何より大統領選の第1回投票についてルーマニア憲法裁に誰かが異議申し立てを行いました。
憲法裁は裁判官9人が全員一致で、申し立てを却下しました。
どっちが不正に近いことをやっているのかが、伺い知れると思います。
だから、BBCの記事で現職のヨハニス大統領が意味不明な発言をしているのだろうと思います。

こうやって、やや詳しく調べてみると西側の報道とは全然異なる事情が見えてきます。
親EUの有力候補は第1回投票で脱落し、第2回投票では第三の候補でしかなかった親EUのラスコニも負けそうだから、EUとアメリカが「慌てふためいている」様子が見えます。

一番大切なのはEUとアメリカが、どうしたいかでは無く、ルーマニア国民がどう判断するかです。
「内政干渉」のようなことは止めるべきです。
ロシアの介入を言いながら、常に東ヨーロッパの選挙や政治に介入しているのは、アメリカでありEUです。
このような西側の振る舞いが、ウクライナ紛争を引き起こしたと言えます。

ロシアを悪党にする前に、自分たち(西側)の「悪事!」を顧みて反省するべきだと思います。
仮に日本が西側の立場であろうと悪いことは「悪い」と言うべきでしょう。
悪党の味方をしたところで、長い目で見れば不利益しかないと思います。
「悪党には付き合わない」
「少なくとも出来るだけ離れている」
この程度の知恵は、必要だと思います。


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