「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ルーマニア大統領選(8日に決選投票)に見る東ヨーロッパの政治事情<2024・12・03

2025-01-11 17:12:19 | ヨーロッパ

産経新聞
2024・12・03
(1)『ルーマニア、8日に大統領選決選投票、親ロシア派の極右政治家が優勢か』(共同通信)

記事によると第1回投票で落選した候補が他候補の(選挙)運動に不正があったとして憲法裁判所に選挙無効を訴えました。
これに対し憲法裁判所は、12月2日訴えを退けました。
訴えが棄却されたことにより、12月8日に決選投票することが決まりました。

第1回投票で首位だったのが、親ロシア派の極右政治家の(カリン・)ジョルジェスク氏。2位が野党中道右派の「ルーマニア救国同盟」の党首の(エレナ・)ラスコニ党首。

ロイター(第1回投票の概要)
首位ジョルジェスク氏得票率22・94%
2位ラスコニ氏19・18%
事前予想では本命視された中道左派イオン=マルチェク・チョラク首相は3位に沈む。
ルーマニア大統領の権限は、他のヨーロッパ諸国と違い大きな権限があります。ほぼ、普通の意味の大統領と同じです。

<ジョルジェスク氏の民放テレビDigi24での発言>・・・・・・・
(2)「洗練された文明国では、安全保障は対立ではなく対話から生まれる。ゼレンスキーが洗練された愛国者だと思うか?」
(3)「常に戦争の話ばかりしているのは理性的でない。平和に関心を抱き続けなければならない。平和無くして、何も築くことが出来ないのだ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

BBCの記事
2024年11月29日
(4)『ルーマニア大統領選、再集計へ TikTokが極右候補に優遇処置との疑惑で』

ルーマニア議会
社会民主党と国民自由党の連立政権

野党 極右「ルーマニア統一同盟」と「SOSルーマニア」

※関連記事
Bloomberk
2024年12月3日
『ルーマニア憲法裁、親ロシア派候補勝利の大統領選第1回の結果を承認』

産経新聞の記事は、いかにもジョルジェスク氏への悪意に満ちています。
ブルームバーグの記事は、かなり中立的に書かれています。しかしジョルジンスク氏に好意的とは言えません。
12月1日の議会選では、チョラク氏が率いる与党の社会民主党(PSD)が勝利したとのことです。ただし、「ルーマニア人統一同盟」が第2党に躍進しています。

これで大統領選2回目投票は、親欧州路線の右派ラスコーニ氏と親ロシア派のジョルジェスク氏の対決になりました。
<現時点の予想>
ロイター
2024年12月3日
『ルーマニア大統領選、8日決選投票へ 第1回投票は有効と憲法裁』

1日公表の世論調査
ジョルジェスク氏57・8%
ラスコニ氏42・2%

※どうでしょうか❓
日本のマスコミが伝える記事が、いかに不正確で粗雑か分かると思います。ミス・リードしようという意図も露骨に見えます。
ちなみに憲法裁の裁判では、9人の裁判官が全員一致で異議申し立てを却下しています。
他の候補から訴えられて異議申し立ては、一発で却下です。と言うことは、異議を申し立てたのは単なる選挙妨害を意図したものだと言われても仕方ないでしょう。
そこには、当然現在の首相のチョクラ氏を支持するEUの介入の影が見えます。

※はっきり言って、その国のことはその国の国民の意思が尊重されるべきであり、他国が内政干渉めいたことをするべきでは、ないと思います。

EUは、ジョージアにも内政干渉しようとしていますが、今のところジョージア政府がEUの内政干渉を排除しています。

モルドバの選挙では、EU加盟の是非を問う投票が同時になされました。モルドバ国内の投票では、EU加盟否定が過半数でした。
ところが海外票を加えたところ、かろうじて賛成が過半数を超えました。
これだって不思議でないですか❓
モルドバ国民は、EU加盟を否定しています。
海外票を加えてこの結果を覆しました。
国内票で過半数に届かなかったので海外票で細工した疑いは、当然あります。

ルーマニア国民が、どのような判断を下すのか注目しています。
極右と言われるジョルジェスク氏の発言をもう一度見てください。
(2)(3)です。
親欧州派のラスコニ氏は、これと反対のことを主張していると思います。

素直に読んでみれば、どちらが「まとも!」だと思いますか❓

極右だのポピュリストだの否定的に報道される方が、余程「マシ」なことを主張していることに気が付くと思います。それを歪めて報道するのが、西側の一般的なマスコミです。

※傾向として、似ている政治勢力
フランス ルペン氏の国民連合
ドイツ AfDドイツのための選択肢
ルーマニア ルーマニア人統一同盟、ジョルジェスク氏
その他の国の極右とされる政党

※追記ールーマニア議会選
ロイター
2024年12月2日
『ルーマニア議会選、左派与党が第1党へ 極右躍進に一定の歯止め』
序盤時点の得票率 ⇒開票率99%
★与党SPD 24% ⇒22%(ー7%)
①ルーマニア人統一同盟 18% ⇒18%(+10%)
ルーマニア救国同盟USR・親欧州(ラスコニ) 10%
★連立リベラル党 14% ⇒14%(ー10%)
極右SOS 7%
極右POT 5・5%
ハンガリー系民族党 6%

★連立与党 ⇒32%
☆極右3党 30・5%

それでいて大統領選では、①のジョルジェスク氏が支持率過半数を超えています。
議会は親欧州派が、かろうじてやや多く(+1・5%)、大統領は親ロシア派にするのがルーマニア国民の選択のようです。
どうやって議会運営をするのか、今から心配です。
加えて首相の任命権は、新大統領にあります。
こうしてみると議会連立与党は、計17%支持率が減っています。改選前の議席が、2党合計約53%ですから、連立与党は過半数割れの上に「ー17%」支持率を落としています。
これは選挙が行われた他の国でも見えるのと同じ傾向です。いかにEU各国の政権与党が国民からの支持を失っているかが分かります。
その大きな理由は、ウクライナ紛争です。
EU政府、EU各国政府、アメリカのプロパガンダの【超!大合唱】にも関わらず多くのヨーロッパ市民は、「さっさと戦争を終わらせろ!」と言うのが多数意見のようです。

今の現状は、西側は独裁国家であると言えます。
民意を無視した政治を行っています。
民主主義国家でないですね❓
「どこに行った❓例の金看板❓」

※東ヨーロッパの国で「正当な!」選挙をやれば、大体こうなると思います。
スロバキアは、親ロシア・ウクライナ支援反対を公約にした現在の首相の政党が議会選挙で勝利しています。

※ご参考
ルーマニア現職大統領
クラウス・ヨハニス 2014年~(国民自由党)

そして、BBCの記事(4)をよく読むとTikTokが不利な取り扱いをしたのは、ジョルジェスク氏に対してであると、ヨハニス大統領は述べています。
「TikTokがジョルジェスク氏を政治候補者として表示しなかった」
ジョルジェスク氏のアカウントのフォロワーは、2週間前までは3万人だった。現在は33万人を超え400万件以上の「いいね」を獲得した。
BBCの記事タイトルは、反対のことを言っています。
一体、どっちが本当なの❓

記事の方を素直に読むならジョルジェスク氏の選挙活動を妨害したのは、政府当局であることになります。❓❓❓


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