「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

アウデイーイウカ市街の攻防を詳しくチェック<ウクライナ紛争2024.2.15

2024-02-15 20:54:26 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

最新の「航空万能論GF」の記事
2024.02.14
ロシア軍がアウディーイウカ分断に成功した可能性、敵装甲車が幹線道路に到達か
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/possibility-that-russian-army-succeeded-in-dividing-audi-ivka-enemy-armored-vehicle-reached-main-road/

<これまでの戦闘の経緯:航空万能論GFの記事から>
2024.02.12
ロシア軍がアウディーイウカ包囲に近づく、市内の幹線道路もグレーゾーンに
(インダストリアル・プロスペクト通りがグレーゾーン)
2024.02.11
アウディーイウカのウクライナ軍は危機的状況、街が南北に分断される寸前
2024.02.5
アウディーイウカは危機的状況、北東市内に侵入したロシア軍が足場を築く
2024.02.2
アウディーイウカの戦い、ロシア軍兵士が南郊外に続き北東郊外にも侵入

(市街北側に侵入)
2024.01.20
アウディーイウカの戦い、ロシア軍が防衛ラインを突破して市内に侵入

(市街南側で市街戦が始まる)

1月20日ごろロシア軍は市街南側のウクライナ軍の防御ラインを突破し、市外南で市街戦が始まりました。
少し遅れてロシア軍は、2月2日市街北側に到達しました。
以後、市街南側の市街戦ではウクライナ軍は何とか持ちこたえています。
しかし市街北側では、市街地にロシア軍が到達すると直ぐにロシア軍が市街地を西と南に進撃し始めました。今日にいたるまで市街南側では、ロシア軍はほとんど進撃出来ていません。
その比較からするとウクライナ軍の市街北側に配置されていた兵力は、かなり少なかったようです。進撃速度の速さは、ウクライナ軍は戦闘らしい戦闘も出来ずに後退している状況を示しています。

今日の戦況略図を見るとこれまでの補給路の「O-0542」から市街に入ってくる「インダストリアル・プロスペクト通り」までロシア軍が到達して交戦地域に完全に入りました。
つまり❓
これまでの補給路は、完全に使えなくなりました。
ウクライナ軍は、市街郊外北西にあるコークス工場方面の部隊と市街を守る部隊に分断されました。
※一番問題なのは❓(引用)
『同時に「コンクリート製建築物は滑空爆弾で攻撃されているため敵が市内から撤退するのは極めて理論的だ」「戦闘は激しいものの銃撃戦は少ない」「攻勢規模から考えると拍子抜けだ」とも述べた。』
「銃撃戦は少ない」というのは、ウクライナ軍がほぼ戦闘せずに撤退していることを示しています。つまり、このエリアの防衛を諦めたということです。

※以上が、市街地北側の現状です。

市街に応援に派遣された(推定)第3独立強襲旅団は、どこから市街地まで到達したのか❓

南北に長いアウディーイウカ市街地の中央付近から西に5km程度の位置にあるジェベルネ(Sjeverne)を結ぶ脇道があります。この道路から市街地まで到達したと思われます。そうでなければ、戦闘地域になっている「インダストリアル・プロスペクト通り」を通らなければならず、旅団規模の部隊が移動するのは、無理だと思います。そこで交戦に巻き込まれるからです。

※追記

第3独立強襲旅団は市街地ではなく、郊外北西のコークス工場の陣地に入ったようです。従って市街地のウクライナ軍は増援はなくそのままのようです。あるいは市街地は撤退して放棄するのかもしれません。

https://forbesjapan.com/articles/detail/69152

仮にわき道を「ジェベルネ(Sjeverne)線」と呼ぶことにします。
「ジェベルネ(Sjeverne)線」は、まだウクライナ軍の支配下にあり通行は、可能だと言うことです。

ジェベルネ(Sjeverne)の陣地を守っているのが、第53独立機械化旅団です。
ところがこの軍事拠点にも市郊外南の西方向に位置するヴォーダインVodyaneとオプトネOpytne方面からロシア軍が攻撃しています。
「ジェベルネ(Sjeverne)線」も交戦地域の直ぐ北側にあります。ロシア軍が砲撃しようと思えば出来ますし、自爆型ドローンの射程内です。
安全な交通路とは、到底言えません。
通行が何とか可能だという程度の安全度です。

※現在のウクライナ市街の戦況は、市街北側ではロシア軍が圧倒的に優勢で南側と西側に占領地を急速に増やしています。これまでの補給路である「O-0542」から市街に入ってくる「インダストリアル・プロスペクト通り」までのうち「インダストリアル・プロスペクト通り」の部分は、ロシア軍が制圧しつつあります。つまりもう交通困難です。ウクライナ軍は南北に分断されました。

※市街南側と東側のウクライナ軍の防衛部隊は、まだ防衛して陣地を維持しています。新規に送られて応援部隊が到達したのは、この地域です。果たしてこの部隊が市街北側を占拠しつつあるロシア軍を押し返せるかどうか・が問題です。
押し返せなければ、ウクライナ軍は市街地から全面撤退するしかないと思います。そもそも市街北側の攻撃に投入されているロシア軍は、新規に応援で派遣されたウクライナ軍部隊より遥かに数が多いと思います。

※更に時間的な制約があり、「ジェベルネ(Sjeverne)線」をウクライナ軍が確保している間に撤退するのであれば、撤退しなければなりません。
「ジェベルネ(Sjeverne)線」をロシア軍が遮断してしまえば、アウデイーイウカ市街にいるウクライナ軍は応援部隊も含めて完全に包囲されます。

※ロシア軍は次は、「ジェベルネ(Sjeverne)線」の遮断を目標に攻撃を強化(激化)すると思います。出来るだけ速く撤退を決断しないと、完全に包囲される可能性が高いと思います。包囲されてしまえば、全滅か降伏しかありません。市街には応援を含めて合計で4個旅団いると思います。少ない兵員数ではありません。バフムトとの違いは、バフムトではウクライナ軍は西に退却するスペースがありました。だから損害は出ましたが退却は可能でした。
アウデイーイウカ市街では、完全包囲です。
時は既に遅かった・と言うことです。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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