「北の山・じろう」日記

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バフムト戦線、ロシア軍がチャシブ・ヤル南部で運河を超えて大きく前進<ウクライナ紛争2024/10/18

2025-01-10 20:53:04 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論
https://grandfleet.info
2024.10.18
『ロシア軍の決定的な成功、チャシブ・ヤール南郊外の防衛ラインを突破』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/decisive-success-of-russian-forces-breaking-through-the-defense-line-on-the-southern-outskirts-of-chashib-yar/

5月からチャシブ・ヤル方面はロシア軍の攻撃が下火になり、ほとんど攻撃らしい攻撃はしていませんでした。
今回は、チャシブ・ヤル市街の南のイワニスキー方面から幹線道路T-0504沿いに運河を超えて大きく西に突破しました。この付近にはウクライナ軍の塹壕や陣地が沢山あり膠着した前線ですから、3~4kmのような距離を一気に進撃するのは、普通は無理です。

5月から他の戦場では、このような大きな突破が時々見られます。
オチェレテイネ、プロフレス方面、ニューヨルク方面、トレツク東の郊外、ヴフレダルの南・・・
など数えていくと結構あります。
そこから全然を突破したロシア軍が大きく前進しています。

このような大きな前進が起きたエリアでは、部隊交代が関係しています。強力な部隊の引き抜きが行われます。その代わりに送り込まれた新兵で編成された弱小部隊が、任務に就くのを拒否したり、戦闘を放棄して勝手に撤退するのが、主な原因です。
それをロシア軍が観察していて防衛ラインに大きな空白が出来たところを一気に大きく前進したのが、過去の例です。
おそらくこの方面でも似たような何かがあったのだろうと思います。何か特殊な事情がない限り、今回みられる急激な大きな前進は、不可能です。

それと呼応して、チャシブ・ヤル市街地の東の端にへばりついていたロシア軍も東面の北方向から500メートルほど進出しました。

今回、ロシア軍が突破したルートT-0504沿いは市街地から見て低地になっており、ここから直接コンスタンチノフカを目指すのは砲撃を受けて難しいと思います。
市街地を東側から攻撃している部隊と協力して、やや不利な南側から挟撃する心算なのかもしれません。

そして、ここを突破したロシア軍に対して市街地の砲兵部隊が十分な火力支援が出来なかったと言うことは、ウクライナ軍の火力が弱体しているのだろうと思います。

コメント欄を読むと(真偽は不明)
第80独立空中強襲旅団⇒クルスク
225突撃連隊⇒クルスク
第93機械化旅団⇒ポクロウシク
などの部隊の引き抜きがあったようです。
これは、おそらく10月になってからでしょう。
部隊名は真偽不明ですが、大きな部隊移動を観察していたロシア軍が、部隊の交代のタイミングを見て奇襲攻撃をかけたのでは、ないか・と思います。
(このような内部情報は、結構ロシア軍に漏れているケースがあるようです。ウクライナ軍内部にもロシア軍に勝利してほしい人間が一定数いるのだろうと思います。あるいは捕虜になる人数が多いから捕虜からも多くの情報が洩れます。)

当然ですが、どれほど強力な防衛ラインであろうと守るべき兵士がいなければ、簡単に突破されます。
上に例示した戦場でも同じようにして、ウクライナ軍の前線が突破されました。

クルスクに部隊を転用するために引き抜く、あるいはポクロウシクのように国内外から大きな批判が出ている拠点を守るために他から部隊を引き抜く。
このような部隊の引き抜きを行うから、引き抜かれた前線では防御が弱体化して、タイミングを見てロシア軍が奇襲攻撃をかけて、一気に突破するような状況が続いています。

ウクライナ軍の兵力不足は、もうカバーしきれないほどひどいと思います。去年の暮れから兵力不足になっています。少々、強制連行して新兵を補充しようと毎日ベテランの兵士が死傷していきます。
新兵は戦力としては、ほとんど無力です。
直ぐ戦死するか、逃亡するか降伏するかのどれかのようです。
ウクライナ軍の場合です。
1日の前線での消耗(死傷者)は約1000人と言われていました。
それが5月ごろから激化して1日1500人~2000人に増えています。
ロシア軍が、どれだけ死傷したかは問題ではありません。ロシア軍は、その分補充が出来ているからです。

5月から仮に1日1500人平均とすると1か月で45000人です。5か月なら22・5万人のウクライナ兵が前線から退場しています。
補充されてくる新兵がどれくらいいるのかは不明です。
しかし、ほとんど戦力にならないのは、どの戦場でも聞く話です。
ベテランの兵士が死傷すればその補充はありません。
減った分だけ全体のウクライナ軍の戦闘力が弱体化するという、簡単に分かる話があります。
推定死傷者数の22・5万人のうち10万人がベテランの兵士だと仮定すると兵力不足が酷くなっているのが簡単に想像できると思います。

しかも、これが今後時間の経過とともに更に酷くなっていきます。
少々新兵を補充しようが、武器を供与しようが解決できる問題ではないのです。

時間の経過とともにウクライナ軍は、戦闘力のあるベテランの兵士を失い、やがて戦闘不可能になるでしょう。
そうなる前に停戦交渉を始めて終戦に持っていくしかありません。

ゼレンスキーの言う「勝利計画」は、夢の国の夢物語です。
「戦争は遅くとも来年末には終わる」
来年末には、兵士がいなくなって無条件降伏するしかなくなるかもしれません。

晩秋の泥濘の季節がやってきて、他の戦場ではロシア軍の進撃は、ややスローダウンしている気配があります。
チャシブ・ヤルは比較的狭い戦場ですし、市街地にロシア軍が進出しているので、あまり関係ないようです。

どこまで続く泥濘ぞ
泥濘の先は、底なし沼です。

 

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


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