姑カヅさんの施設利用の支払いに行って来た。
ついでに先日職員の人から「カヅさんの羽織り物を何か持って来てもらいたい」と言われていたので、
フリースの薄紫色の羽織り物を買って持って行った。
その紫のフリースを見てカヅさんは、
「それは何?」
と聞いたので、
「最近寒くなってきましたからね、おかあさんの羽織り物を持って来たんですよ。あ、今日のおかあさんの服もちょうど紫色ですね」
と言った。
その今日着ていた紫色の服も、私が以前カヅさんに買った服だ。
考えてみたら私がカヅさんの衣類を買うと、ついつい紫系統になってしまう。
ああ、そうだ。お祖母ちゃんを思い出すからだきっと。
「私のお祖母ちゃんは紫が好きだったんですよ」
「おばあちゃんて?わたしは会ったことない人かな」
「あ、何回か会ってますよ」
「全然思い出せない…」
と言いながら眉毛を潜めてるカヅさん。
「ああ、もう亡くなって15年になりますからね、忘れたんでしょうねぇ」
「忘れた?何を?」
いや、だからさ。
「お祖母ちゃんですよ、私のお祖母ちゃん」
「は?」
は?て、は?
「お祖母ちゃんて誰?」
「だから私のお祖母ちゃんです」
久々に軽くイラッ…
「私は会ったことない人かな」
「会ってます。何回か」
「いつか会える人かな」
「いや、もう亡くなってますからね」
「亡くなった?誰が?」
ちょ…
「お祖母ちゃん」
「おばあちゃん?誰の?」
「私の」
「いつか会えるのかな?」
「だからもう15年・・・そうですね。会えますよ、いつかきっと」