ムラサキお婆さん

2019年10月18日 | 日記
姑カヅさんの施設利用の支払いに行って来た。

ついでに先日職員の人から「カヅさんの羽織り物を何か持って来てもらいたい」と言われていたので、

フリースの薄紫色の羽織り物を買って持って行った。

その紫のフリースを見てカヅさんは、

「それは何?」

と聞いたので、

「最近寒くなってきましたからね、おかあさんの羽織り物を持って来たんですよ。あ、今日のおかあさんの服もちょうど紫色ですね」

と言った。

その今日着ていた紫色の服も、私が以前カヅさんに買った服だ。

考えてみたら私がカヅさんの衣類を買うと、ついつい紫系統になってしまう。

ああ、そうだ。お祖母ちゃんを思い出すからだきっと。

「私のお祖母ちゃんは紫が好きだったんですよ」

「おばあちゃんて?わたしは会ったことない人かな」

「あ、何回か会ってますよ」

「全然思い出せない…」

と言いながら眉毛を潜めてるカヅさん。

「ああ、もう亡くなって15年になりますからね、忘れたんでしょうねぇ」

「忘れた?何を?」

いや、だからさ。

「お祖母ちゃんですよ、私のお祖母ちゃん」

「は?」

は?て、は?

「お祖母ちゃんて誰?」

「だから私のお祖母ちゃんです」

久々に軽くイラッ…

「私は会ったことない人かな」

「会ってます。何回か」

「いつか会える人かな」

「いや、もう亡くなってますからね」

「亡くなった?誰が?」

ちょ…

「お祖母ちゃん」

「おばあちゃん?誰の?」

「私の」

「いつか会えるのかな?」

「だからもう15年・・・そうですね。会えますよ、いつかきっと」