なんだか知らないが、最近また私に対して感じが悪い副社長。
たまにしか出社して来ないくせに、来れば事務所でふんぞり返って何も仕事をしない。お気に入りの正社員を呼んでどうでもいいくだらない雑談をして帰って行く。
うちの女性社長は、どこがよくてあんなヤツと再婚したんだか。
うちの社長は依存性の強い人だから、シングルではいられなくて、傍にいるあの男にまんまと傾いてしまったのだろう。
そして副社長もバツイチ。たまーに副社長のふてぶてしい体のデカい娘が事務所に来ている。
私がデカいその娘に頭を下げても、挨拶も返してよこさない。
副社長と一緒にふんぞり返ってるだけ。体もデカいが態度もデカい女だ。
先日も居たので、私は作業しつつ何気に会話が耳に入ってきたのだが、どうやら車を副社長が買ってあげる話だった。
舌打ちでもしてやりたい。そんな話、外でやれ。神聖な福祉施設でやらないでくれ。
それにしてもだ。
今度はなぜ私を無視してる?副社長。
まあ理由もなく、パート職員に対しては下に見て、普段から感じが悪いが。
そしてあの男は、いつも特に大きな理由もなく、誰かを標的にして冷たく当たり、仲間はずれっぽくしてきた。
それが幼稚なクソ男のバカな遊びみたいなものだ。経営者のクズだ。
そのせいで今までどれだけ多くの職員が辞めて行ったことか。
そういえば、5月に入ったばかりの、私と同い年の職員。私が息子の病気で休んでいる間、突然辞めてしまったらしい。
とても変わった人だから、出る杭は打たれるか抜かれるウチの職場ではやっていけないんじゃないかなと思ってはいた。
たった一ヶ月半で辞めるとは、相当嫌な事があったのだろう。
その後、また新しい職員が入って来た。
50代半ばの、やはり独身女性。
今度の人は、控えめな、一生懸命な感じの人。副社長的には好きなタイプの従業員だろう。
ふと、思い出した。
新しい職員が入っても、いつも隣の部屋の担当。私が担当している部屋に新しい職員を取らない。
私が担当している部屋は、ADHDや自閉症などの発達障害がある子ども達が中心。体の障がいがある子もいるが、介助すれば自力でも行動できる。
隣の部屋の利用者は、ほぼ全介助だったり、常に医療ケアが必要な重度の子が多い。
だから隣の部屋の方だけ職員を増やすのはわかるが、私の担当する部屋は、いくらなんでも職員が少なすぎる。女性職員は私一人だけ。
トイレ介助が必要な女の子だって三人いる。そして、男性職員達は途中でみんな送迎に出るから、現場は私一人になる時間帯がある。
一人で4、5人の子ども達をみることもある。無茶な話だ。
誰かのトイレ介助をしている間、何かあったらどうするんだ。動き回ったりトラブルが多い子達なのに。
職員が足りなすぎる。
そのことで、私は社長に言いに行った。
職員が足りないと思います、と。
なるほどねぇ…
副社長はそれが気に入らなかったんだ。
私は出る杭なんだろう。
うちの施設は、他を断られた障がいが重い子どももどんどん受け入れる。
だけど職員は増やさない。
いかにもただの儲け主義。
心が無いね。
私は間違ったことは言ってないのに、この先ずっと無視するのかな、副社長。