『 桜 』
もちろん! 好きな樹木の一つです。
しかし、年に一度だけ花びらを見て終わり、では違うと思います。
開花は遺伝子に組み込まれた一つのサイクルに過ぎません。
365日の間、ひたすら成長を続けている姿を愛でる心が欠けているように
思えて仕方ありません。
生まれたての若木だった頃とは違って、肌は荒れ、所々はあばたになり、
時には傷付きながら生きているのです。
花咲く時だけ賛美して、花が散ると振り返りもしないなんて、
やはり少し違うと思います。
『 染井吉野 』
もちろん!一番身近な桜・染井吉野は好きです。
しかし、染井吉野を桜の模範であり基準として捉えている風潮には
違和感を感じます。
日本には、昔から数多くの種類の桜が自生しています。
品種と地域を選べば、1月から12月までの間、ほぼ一年中に亘って
桜の花を鑑賞ができる国です。
けれど、染井吉野という遺伝子が全く同じのクローンだけの並木を
観て賛美する姿には違和感もあります。
春の季語にもなっていない桜を春の風物詩の様に扱う姿は、
条件にも無いリクルートスーツを着て就職活動をする学生の姿同様、
少し違和感を感じます。