蒲田耕二の発言

コメントは実名で願います。

やらせメール

2011-07-10 | 社会
昔、ラジオの電話リクエストなんていう古式ゆかしい番組があったころ、レコード会社がバイトを雇って盛んにやらせの電話を放送局に掛けていたものだ。九電のやらせメール問題で、はからずもあの原始的プロモーションを思い出してしまった。

笑ってる場合じゃない。1企業の恣意で国民生活の安全を左右されちゃ、たまったもんじゃないよなあ。曲がヒットするかどうかなんていう、ケチな次元の話じゃないんだから。

九電の事件でハラが立つのは、副社長クラスの社員が示唆したの、部長クラスが指示したの、課長クラスが実行したのと、当事者が抽象的なままで実名が明らかにされないことだ。

公聴会の信頼性を損なう詐欺行為なんだから、これは立派な犯罪ではないか。マスコミはなぜ実名を挙げて追及しない。九電に限らず電力会社の隠蔽体質を暴く、いいチャンスだろが。こういう風に腰が引けてるから、ジャーナリズムはすべて原発利権複合体の息が掛かってると疑われるんだよ。

昨夜(9日)、NHKが放送した原発問題の討論番組は見応えあったね。途中ニュースを挟んで計2時間半の長丁場だったが、釘付けになった。

出席者は原発推進または容認派2、反対派2にNHKの解説委員と原発のことはなんだかよく分かんないらしいオバサン各1。まあ、バランスはとれてる。ただし、エンエン議論をやっても、結局のところ原発はあった方がいいのか悪いのか結論をウヤムヤにするのがNHKらしかった。

中で気になったのが、原発プラント設計の技術者だったというオッサン。この人、原発絶対反対論者で、過熱すればメルトダウン、冷却すれば水素爆発、どっちに転んでも原発は危険だと主張していた。

さすが現場を知る技術者、発言が実際的で説得力がある……と言いたいところだが、実はオッサン、何を言ってるのかほとんど聞き取れない。口をロクに開かないから発音がモゴモゴ不明瞭な上に、しゃべってるうちにセカセカ早口になるクセがあり、早口になると感情が激して論理がバラバラになる。

上記のメルトダウン云々も、多分そう言ってるのであろうとオレが推測したにすぎない。

対する推進派は、原発メーカーの東芝で研究してる、てんだから典型的な御用学者だが、こっちはあくまで穏やかに上品な口調で淡々としゃべる。言葉がスムースに聞き取れる。大半の視聴者が、こっちの方がもっともだと思ったのではないか。

ま、こういう人選でNHKが搦め手から世論を誘導してるとまでは、勘ぐりたくないけどね。
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