男性歌手が歌ったファドってYouTubeにたくさんアップされてるし、CDもけっこう出てるが、大体において詰まらない。どうもあの半音階を多用したメランコリックなメロディに男の野太い声は合わないんじゃないかって気がする。その辺、レンベーティカと似てるね。
だから、これまで印象に残ったファド歌手はアマリア・ロドリゲスを筆頭に、マリアテレーザ・デ・ノローニャ、ルシーリア・ド・カルモ、フェルナンダ・マリーア等々、女性歌手ばっかだもんね。まあ男性優位の“コインブラのファド”ってのもあるが、あれは音楽自体が詰まらない。
というふうに思い込んでいたから、ゴンサーロ・サルゲイロの新作には不意を衝かれたねえ。めちゃくちゃ胸にしみ込んで来るじゃありませんか。喉にストレスを掛けない柔らかな発声とコブシ回しが絶品。デビュー・アルバムから格段の成長である。「許しのゴブレット」なんてトラックは3回リピートしてしまった。惚れぼれしますよ。
ファドは女だけのものじゃない。レンベーティカにヨルゴス・ダラーラスがいるように、ファドにはゴンサーロが……と言いかけて、ハタと困った。だってこの歌手、心はオンナなんだもの。声は男でも。
付属のDVDを観ると、それがよく分かる。唇を誘惑的に突き出す仕種がハンパじゃない。普通の男にあんなマネできないよ。
やっぱファドは女のもの?
ファドと言えば、4枚組ブックレット仕立ての物すごいアルバムも出た。ポルトガルって国は財政破綻寸前だってのに、なんでこんな贅沢できるの?
順を追って聴くと、ファドは古い曲ほど面白く、かつ女性歌手の方がはるかに魅力的なことがよく分かる。4枚の中で聴き応えが一番あるのは、やはり1枚目の不朽編。ないのは3枚目の今日編。
意外だったのは、4枚目の明日編でも正統的なスタイルのファドが多数を占めてることだ。ファドという古いジャンルはシンセを入れたりビートを強調したり、下手にサウンドをいじっても意味ないのかもしれない。事実、ヘンな細工をした「暗いはしけ」は聴くに堪えない。
不朽編にも昨日編にもエルシーリア・コスタが収められていないのだけが残念。
だから、これまで印象に残ったファド歌手はアマリア・ロドリゲスを筆頭に、マリアテレーザ・デ・ノローニャ、ルシーリア・ド・カルモ、フェルナンダ・マリーア等々、女性歌手ばっかだもんね。まあ男性優位の“コインブラのファド”ってのもあるが、あれは音楽自体が詰まらない。
というふうに思い込んでいたから、ゴンサーロ・サルゲイロの新作には不意を衝かれたねえ。めちゃくちゃ胸にしみ込んで来るじゃありませんか。喉にストレスを掛けない柔らかな発声とコブシ回しが絶品。デビュー・アルバムから格段の成長である。「許しのゴブレット」なんてトラックは3回リピートしてしまった。惚れぼれしますよ。
ファドは女だけのものじゃない。レンベーティカにヨルゴス・ダラーラスがいるように、ファドにはゴンサーロが……と言いかけて、ハタと困った。だってこの歌手、心はオンナなんだもの。声は男でも。
付属のDVDを観ると、それがよく分かる。唇を誘惑的に突き出す仕種がハンパじゃない。普通の男にあんなマネできないよ。
やっぱファドは女のもの?
ファドと言えば、4枚組ブックレット仕立ての物すごいアルバムも出た。ポルトガルって国は財政破綻寸前だってのに、なんでこんな贅沢できるの?
順を追って聴くと、ファドは古い曲ほど面白く、かつ女性歌手の方がはるかに魅力的なことがよく分かる。4枚の中で聴き応えが一番あるのは、やはり1枚目の不朽編。ないのは3枚目の今日編。
意外だったのは、4枚目の明日編でも正統的なスタイルのファドが多数を占めてることだ。ファドという古いジャンルはシンセを入れたりビートを強調したり、下手にサウンドをいじっても意味ないのかもしれない。事実、ヘンな細工をした「暗いはしけ」は聴くに堪えない。
不朽編にも昨日編にもエルシーリア・コスタが収められていないのだけが残念。