蒲田耕二の発言

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湾岸トラウマ

2015-01-02 | 政治
20年前にパパ・ブッシュが湾岸戦争を起こしたとき、日本は憲法上参戦できないのでカネを出した。総額130億ドル(当時の為替レートで1兆7000億円)という天文学的巨額だった。

イラクが負け、クウェートは感謝の広告をNYタイムズに出した。対象の30か国中に、日本の名前はなかった。

日本中がショックを受けた。

で、カネを出すだけじゃダメ、人も出さなきゃ(てのは要するに、人命を犠牲にしなきゃ、てことだ)と誰かが言い出し、PKO協力法が成立した。そしてブッシュ・ジュニアがイラク戦争を始めると、自衛隊が現地に派遣された。「自衛隊の行くところが非戦闘地域です」と、当時の小泉首相はうそぶいた。

集団的自衛権行使の閣議決定も、源流の一つは多分この湾岸トラウマにある。

しかし大晦日の東京新聞によれば、戦後復興費用の名目で日本が拠出した1兆7000億は、うち1兆0790億(約68%ですな)までをアメリカに持って行かれ、肝心のクウェートにはたったの6億3000万(0.037%!)しか渡らなかったそうだ。ウィキにも載っている。

これじゃクウェートも、ちょっと感謝する気にはなれないよな。

湾岸トラウマを、自民党政権は最大限に利用した。念願の憲法改正へと舵を切る千載一遇のチャンスを、そこに見たのだろう。いつものとおり、メディアが政府に協力した。クウェートを悪者にして、カネを出しても感謝されなかったと書き立てた。クウェートにはスズメの涙しか行かなかったとは、どこも書かなかった。いま安倍に潰され掛かっている朝日も含めて。

政府とメディアの馴れ合いは、こうして目くらましをしながら国民を都合のいい方向へ誘導していくんだね。

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