パイオニアが香港ファンドの完全子会社になるんだと。さびしいねえ。山水、ラックスに続いて、オーディオの名門が次々日本から消えていく。
パイオニアは、いまではカーナビ大手などと報道されているが、20世紀後半は高級オーディオの代名詞だった。オレが使っていた同社製のレコードプレーヤーは、40年使用してビクともしなかった。だからもう1台ほしくなったとき、迷わずパイオニア製の中古を選んだ。無論、音がいいからでもある。
社名どおり、同社は進取の気性にも富んでいた。オーディオ・ブームが起きる前すでに高音質のスピーカーやアンプを製品化し、ビデオディスクが一般化する前にレーザーディスクを発売し、薄型テレビが普及する前に高画質のプラズマテレビを発売した。
しかし、新種の商品の開拓には莫大なコストが掛かる。だからパイオニアの商品は、どれもこれも高価だった。レーザーディスク・プレーヤーなんか、初期製品は有機ELテレビの初代機と同じぐらい高かった。当然、売れない。
パイオニアが苦境に陥った主因は、日本の長い不況なんだろうけど、同社の革新性が裏目に出たためとも言える。冒険や賭けは、景気がいいときなら失敗してもダメージを取り戻せる。「失われた20年」には、そういうわけに行かなかった。高度経済成長時代の体質を引きずってしまったことが、パイオニアの不幸だったのかも知れないね。
パイオニアは、いまではカーナビ大手などと報道されているが、20世紀後半は高級オーディオの代名詞だった。オレが使っていた同社製のレコードプレーヤーは、40年使用してビクともしなかった。だからもう1台ほしくなったとき、迷わずパイオニア製の中古を選んだ。無論、音がいいからでもある。
社名どおり、同社は進取の気性にも富んでいた。オーディオ・ブームが起きる前すでに高音質のスピーカーやアンプを製品化し、ビデオディスクが一般化する前にレーザーディスクを発売し、薄型テレビが普及する前に高画質のプラズマテレビを発売した。
しかし、新種の商品の開拓には莫大なコストが掛かる。だからパイオニアの商品は、どれもこれも高価だった。レーザーディスク・プレーヤーなんか、初期製品は有機ELテレビの初代機と同じぐらい高かった。当然、売れない。
パイオニアが苦境に陥った主因は、日本の長い不況なんだろうけど、同社の革新性が裏目に出たためとも言える。冒険や賭けは、景気がいいときなら失敗してもダメージを取り戻せる。「失われた20年」には、そういうわけに行かなかった。高度経済成長時代の体質を引きずってしまったことが、パイオニアの不幸だったのかも知れないね。