昨夜のNHKスペシャル、「イスラム国」がいかに残忍で非道で暴力的で非人間的かを、これでもかってぐらいしつこく強調してたね。まあ嘘じゃないんだろう。反論すべき根拠を、少なくともオレは持ってない。年端のいかない幼児が銃を抱えて戦闘訓練を受けてる無残な映像を、「イスラム国」自身がアップしてるし。異教徒の女性を性奴隷として、5000円そこそこで売買しているという報道もあったし。
しかし、どうもよく分からないんだよなあ。なんでこれほど急激に、またたく間に彼らは勢力圏を広げることができたわけ? ボスのバグダディとかいう野郎は、つい7~8年前まで米軍にとっつかまってたというのに。
暴力と恐怖だけで、こんな短期間にこんなに広い地域へ支配を拡げられるかね。現地の住民にシンパシーがなければ、まず絶対に無理なんじゃないか。かつてナチスがあれだけ急速に進撃できたのは、チェコやポーランドやオーストリアやハンガリー国内にナチスを歓迎する勢力があったからだった。
それならば、恐怖と暴力にもかかわらず住民が「イスラム国」を支持する理由は何なのか。報道はいつもパスしてしまうが、それこそがキモなのと違うか。
オスマン帝国の崩壊後、英仏露が勝手に引いた国境線をチャラにすると「イスラム国」は宣言してるそうだ。レバント地方や北アフリカに引かれた現在の国境線は、軒並み直線と直角で構成されてる。国境がこれほど整然としているわけはないので、ヨーロッパが現地住民の意思も利害も無視して、どれぐらい手前勝手に物欲丸出しの分捕り合戦をやったかの明白な証拠だろう。
そこをすっ飛ばして「イスラム国」は残虐卑劣と非難一色に明け暮れる報道って、なんか隠してない? 視聴者のアタマに何か植えつけようとしてない?
安倍が今年初め、カイロで「イスラム国」対策に2億ドル支出すると言ったりイスラエルで連携強化を謳ったりしたのは平和ボケの無神経かと思っていたが、いまは確信犯的行動だったんじゃないかと思う。
去年12月の時点で後藤健二さんが「イスラム国」に拘束され、身代金要求のメールが家族のもとに届いていたことを安倍は知っていた。今国会で安倍自身がそう答弁してる。なので、イスラエルとの連携や「イスラム国」対策支援をぶち上げれば人質の命にかかわることは当然、予想していただろう。
しかし安倍として多分、「イスラム国」が残虐なマネをしてくれる方が都合がよかった。平和憲法じゃ日本人の命を守れない、戦争のできる軍隊を持たなきゃ他国の軍事組織に対抗できない--これを立証できるまたとない機会ではないか。
果たして、邦人救出に自衛隊を出そう、などと言い出してる。
13年前のイラク人質事件と似た状況でありながら、人質に対する政府と御用メディアの態度が正反対なのが示唆的だ。あれは自己責任だ、などと言おうものなら救出の大義がなくなってしまうもんね。「イスラム国」が悪玉じゃなくなってしまう。
ネトウヨのような低レベルの連中はそこが読めず、相変わらず見当外れの人質非難を書き込んでるが、安倍さんも苦笑でしょう。彼らが信奉する田母神閣下は、湯川遥菜さんとのツーショット写真を何十枚もネットに公開されながら知らん知らんと逃げ回ってる。卑怯なヤツだ。軍人の風上にも置けんね。
「宗教は人を殺す」これ、故・中村とうよう氏の言葉だが、つくづく名言だよなあ。
しかし、どうもよく分からないんだよなあ。なんでこれほど急激に、またたく間に彼らは勢力圏を広げることができたわけ? ボスのバグダディとかいう野郎は、つい7~8年前まで米軍にとっつかまってたというのに。
暴力と恐怖だけで、こんな短期間にこんなに広い地域へ支配を拡げられるかね。現地の住民にシンパシーがなければ、まず絶対に無理なんじゃないか。かつてナチスがあれだけ急速に進撃できたのは、チェコやポーランドやオーストリアやハンガリー国内にナチスを歓迎する勢力があったからだった。
それならば、恐怖と暴力にもかかわらず住民が「イスラム国」を支持する理由は何なのか。報道はいつもパスしてしまうが、それこそがキモなのと違うか。
オスマン帝国の崩壊後、英仏露が勝手に引いた国境線をチャラにすると「イスラム国」は宣言してるそうだ。レバント地方や北アフリカに引かれた現在の国境線は、軒並み直線と直角で構成されてる。国境がこれほど整然としているわけはないので、ヨーロッパが現地住民の意思も利害も無視して、どれぐらい手前勝手に物欲丸出しの分捕り合戦をやったかの明白な証拠だろう。
そこをすっ飛ばして「イスラム国」は残虐卑劣と非難一色に明け暮れる報道って、なんか隠してない? 視聴者のアタマに何か植えつけようとしてない?
安倍が今年初め、カイロで「イスラム国」対策に2億ドル支出すると言ったりイスラエルで連携強化を謳ったりしたのは平和ボケの無神経かと思っていたが、いまは確信犯的行動だったんじゃないかと思う。
去年12月の時点で後藤健二さんが「イスラム国」に拘束され、身代金要求のメールが家族のもとに届いていたことを安倍は知っていた。今国会で安倍自身がそう答弁してる。なので、イスラエルとの連携や「イスラム国」対策支援をぶち上げれば人質の命にかかわることは当然、予想していただろう。
しかし安倍として多分、「イスラム国」が残虐なマネをしてくれる方が都合がよかった。平和憲法じゃ日本人の命を守れない、戦争のできる軍隊を持たなきゃ他国の軍事組織に対抗できない--これを立証できるまたとない機会ではないか。
果たして、邦人救出に自衛隊を出そう、などと言い出してる。
13年前のイラク人質事件と似た状況でありながら、人質に対する政府と御用メディアの態度が正反対なのが示唆的だ。あれは自己責任だ、などと言おうものなら救出の大義がなくなってしまうもんね。「イスラム国」が悪玉じゃなくなってしまう。
ネトウヨのような低レベルの連中はそこが読めず、相変わらず見当外れの人質非難を書き込んでるが、安倍さんも苦笑でしょう。彼らが信奉する田母神閣下は、湯川遥菜さんとのツーショット写真を何十枚もネットに公開されながら知らん知らんと逃げ回ってる。卑怯なヤツだ。軍人の風上にも置けんね。
「宗教は人を殺す」これ、故・中村とうよう氏の言葉だが、つくづく名言だよなあ。