彼のホテルの部屋にはLANケーブルをつないだノートパソコンが置いてあり
ましたから、たぶん、前夜、私が帰ったあと、ネットでアナルセックスのノウ
ハウを調べたにちがいありません。
私のそこに潤滑ローションを塗りながらしてくれた彼の前戯は、前夜よりずっ
と時間をかけたていねいなものでした。
彼の太い指がねじ込むように入ってきたときには、やはりちょっと痛かったの
ですが、私の中の感じる部分を探るように動くその指に、私は、自然にもだえ
声を上げていました。やがてそれが二本になったときにも鋭い痛みが走りまし
たが、私の反応を見ながら、かきまわすような動きをしてきたとき、私は思わ
ずのけぞり、それと同時にその部分がゆるんできたのが、自分でもわかりました。
でも、その指に代わって、彼のものが突き刺さってきたときには、やはり、引
き裂かれるような痛みを感じました。そして、それが前後に動き始めると、そ
この部分の薄い肉がこすられながら内へ外へと引っ張られる痛みが次々に襲っ
てきました。
私がひきつったような声を出して顔をゆがめるたび、彼はその動きをいったん
止めてくれて、それが落ち着いたところで、ゆっくりと再開してくれました。
そのおかげで、その痛みを快感としてとらえるためのコツ‥‥というか、気持
ちの持ちようが、なんとなくわかった気がしました。
それで私は、あえぎながらききました。
「わたし‥‥女?」
「ああ、あやかは、どこから見ても女だよ。これで、もう、処女じゃないしね」
荒い息の中でそう答えてくれた彼に、私はさらに言っていました。
「もっと、もっと女にして。あなたの女に。あなただけの女に」
そんな自分自身の言葉にあおられるように、私の中で新たな感情が湧き上がり、
それと同時に痛みが薄らいでいきました。
彼の方も、今の私の言葉に感応したらしく、動きを速めました。私は自分の中
で動く熱いものの形を、はっきりととらえることができました。
枕をかって持ち上げたお尻に片手をまわし、それが本当に私の中に入っている
のをたしかめたときには、彼とつながっているんだという実感に、私の中に湧
き出した感情が全身を包みました。
彼の突きがさらに激しくなり、体をぶつけるようにしてきたとき、私の中で、
彼のものがさらに硬くなり、スクロールとはべつに、それ自体がはねるように
動いたのがわかりました。
うめくような声をあげる彼の顔を真下から見て、私自身もあえぎながら、自然
に肩が大きく震えました。
今から思えば、私はまだこの時、それに快感を覚えるところまで行っていませ
んでしたが、自分の中が満たされていく感覚だけはありました。
私の上にどさりとのしかかってきた彼の体に両手をまわし、汗ばんだその背中
を撫でていると、そこからむんむんするような男の臭いが発散していました。
それを意識したことで、私は、自分を女だと信じることができました。
彼のものが私の中から出たところで、私は、そこからコンドームをはずし、
ティッシュで包むように拭きました。
と、彼は、私の体を抱き寄せ、キスしてから、こんなことを言いました。
「ねえ、お互い、HIVの血液検査を受けない? 保健所とかで無料でやって
くれるらしいから。匿名でもいいそうだし、検査結果は、指定の場所に郵送し
てくれるって。二人とも、郵送先をあやかの仕事場にしとけば、他の人に見ら
れる心配もないだろ」
なにを言い出したのかすぐには理解できず、その顔を見ると、彼は、ちょっと
恥ずかしそうにつづけました。
「コンドームなんて、使いたくないから。あやかの体をナマで感じたいし、あ
やかの中に出したいんだ」
私は、その言葉に、なんと泣き出していました。
その時は、けっして理性で理解できていたわけではないのですが、ひとつには、
彼が私とこれからもつき合っていきたいと思ってくれていることが、そしても
うひとつは、本物の女性とはちがう私のそこを、彼が汚いと感じていないこと
が、直感的にわかり、それがうれしかったのだと思います。
その夜は、そのラブホで、彼の腕に包まれて一晩を過ごし、翌朝早く、車で仕
事場まで送ってもらいました。
それまでは彼にも、私の仕事場の正確な位置は教えていなかったのですが、も
う知られてしまったので、この日の夜は、彼に私の仕事場まで来てもらうこと
にしました。
前に書いたように、徹夜仕事も多いので、私の仕事場にはソファベッドが入れ
てあります。その夜は、そのベッドで彼に抱かれました。慣れた場所でもあり、
私はずっとリラックスできて、前日よりさらに楽に彼を受け入れることができ
ました。というか、この夜は、一回だけで終わらず、私からのリクエストでい
くつかの体位を試してしまいました。処女を喪失したばかりの女の子としては、
お行儀の悪い話だと思いますが、そのおかげで、私もはっきりとした快感を得
ることができました(射精しないでもイケるようになった今から考えれば、そ
れはまだ、女としての快感の序の口でしかありませんでしたが)。
彼が帰って1週間くらいした頃、東京の保健所から血液検査の結果が送られて
きました。私の方も名古屋で検査を受け、その結果が手元に届いていました。
もちろん彼も私も、エイズは陰性でした。
私はすぐに「来月からは、私の中にいっぱい出してね。chu! あやか」とい
うメールを、彼に送りました。
その二枚の検査標は、私にとって、彼との婚姻届でもあるような気がして、
今は、額装しメイクルームに飾ってあります。
ましたから、たぶん、前夜、私が帰ったあと、ネットでアナルセックスのノウ
ハウを調べたにちがいありません。
私のそこに潤滑ローションを塗りながらしてくれた彼の前戯は、前夜よりずっ
と時間をかけたていねいなものでした。
彼の太い指がねじ込むように入ってきたときには、やはりちょっと痛かったの
ですが、私の中の感じる部分を探るように動くその指に、私は、自然にもだえ
声を上げていました。やがてそれが二本になったときにも鋭い痛みが走りまし
たが、私の反応を見ながら、かきまわすような動きをしてきたとき、私は思わ
ずのけぞり、それと同時にその部分がゆるんできたのが、自分でもわかりました。
でも、その指に代わって、彼のものが突き刺さってきたときには、やはり、引
き裂かれるような痛みを感じました。そして、それが前後に動き始めると、そ
この部分の薄い肉がこすられながら内へ外へと引っ張られる痛みが次々に襲っ
てきました。
私がひきつったような声を出して顔をゆがめるたび、彼はその動きをいったん
止めてくれて、それが落ち着いたところで、ゆっくりと再開してくれました。
そのおかげで、その痛みを快感としてとらえるためのコツ‥‥というか、気持
ちの持ちようが、なんとなくわかった気がしました。
それで私は、あえぎながらききました。
「わたし‥‥女?」
「ああ、あやかは、どこから見ても女だよ。これで、もう、処女じゃないしね」
荒い息の中でそう答えてくれた彼に、私はさらに言っていました。
「もっと、もっと女にして。あなたの女に。あなただけの女に」
そんな自分自身の言葉にあおられるように、私の中で新たな感情が湧き上がり、
それと同時に痛みが薄らいでいきました。
彼の方も、今の私の言葉に感応したらしく、動きを速めました。私は自分の中
で動く熱いものの形を、はっきりととらえることができました。
枕をかって持ち上げたお尻に片手をまわし、それが本当に私の中に入っている
のをたしかめたときには、彼とつながっているんだという実感に、私の中に湧
き出した感情が全身を包みました。
彼の突きがさらに激しくなり、体をぶつけるようにしてきたとき、私の中で、
彼のものがさらに硬くなり、スクロールとはべつに、それ自体がはねるように
動いたのがわかりました。
うめくような声をあげる彼の顔を真下から見て、私自身もあえぎながら、自然
に肩が大きく震えました。
今から思えば、私はまだこの時、それに快感を覚えるところまで行っていませ
んでしたが、自分の中が満たされていく感覚だけはありました。
私の上にどさりとのしかかってきた彼の体に両手をまわし、汗ばんだその背中
を撫でていると、そこからむんむんするような男の臭いが発散していました。
それを意識したことで、私は、自分を女だと信じることができました。
彼のものが私の中から出たところで、私は、そこからコンドームをはずし、
ティッシュで包むように拭きました。
と、彼は、私の体を抱き寄せ、キスしてから、こんなことを言いました。
「ねえ、お互い、HIVの血液検査を受けない? 保健所とかで無料でやって
くれるらしいから。匿名でもいいそうだし、検査結果は、指定の場所に郵送し
てくれるって。二人とも、郵送先をあやかの仕事場にしとけば、他の人に見ら
れる心配もないだろ」
なにを言い出したのかすぐには理解できず、その顔を見ると、彼は、ちょっと
恥ずかしそうにつづけました。
「コンドームなんて、使いたくないから。あやかの体をナマで感じたいし、あ
やかの中に出したいんだ」
私は、その言葉に、なんと泣き出していました。
その時は、けっして理性で理解できていたわけではないのですが、ひとつには、
彼が私とこれからもつき合っていきたいと思ってくれていることが、そしても
うひとつは、本物の女性とはちがう私のそこを、彼が汚いと感じていないこと
が、直感的にわかり、それがうれしかったのだと思います。
その夜は、そのラブホで、彼の腕に包まれて一晩を過ごし、翌朝早く、車で仕
事場まで送ってもらいました。
それまでは彼にも、私の仕事場の正確な位置は教えていなかったのですが、も
う知られてしまったので、この日の夜は、彼に私の仕事場まで来てもらうこと
にしました。
前に書いたように、徹夜仕事も多いので、私の仕事場にはソファベッドが入れ
てあります。その夜は、そのベッドで彼に抱かれました。慣れた場所でもあり、
私はずっとリラックスできて、前日よりさらに楽に彼を受け入れることができ
ました。というか、この夜は、一回だけで終わらず、私からのリクエストでい
くつかの体位を試してしまいました。処女を喪失したばかりの女の子としては、
お行儀の悪い話だと思いますが、そのおかげで、私もはっきりとした快感を得
ることができました(射精しないでもイケるようになった今から考えれば、そ
れはまだ、女としての快感の序の口でしかありませんでしたが)。
彼が帰って1週間くらいした頃、東京の保健所から血液検査の結果が送られて
きました。私の方も名古屋で検査を受け、その結果が手元に届いていました。
もちろん彼も私も、エイズは陰性でした。
私はすぐに「来月からは、私の中にいっぱい出してね。chu! あやか」とい
うメールを、彼に送りました。
その二枚の検査標は、私にとって、彼との婚姻届でもあるような気がして、
今は、額装しメイクルームに飾ってあります。