昨年の8月、本ブログで「『緋の河』( 桜木 紫乃著)~カルーセル麻紀の人生をリスペクトした小説」を紹介しました。
そして今秋、その続編『孤蝶の城』(桜木紫乃著)が刊行されました。土曜日から読みだしたのですが、面白い。そして読み応えがあり、夢中で読みました。仕事関係のビジネス書や新書ばかりの読書でしたが、ひさびさに小説を堪能しました。
『孤蝶の城』は主人公・カーニバル真子がモロッコで性転換手術を受けるところから始まります。その痛みと精神的な苦しみ、そして帰国してマスコミの寵児になった真子。冷血なマネジャーがいる芸能プロと契約しての苦労、美輪明宏さんと思しき人との対談、同じ事務所にいる藤圭子と思しき少女歌手との連帯、映画への出演、その共演者から大麻煙草をトランクに入れられての逮捕と留置.......。
昨年のブログに、私は「これはゲイボーイ太閤記だ」と書きましたが、まさにその続編です。
今日は時間がないので、私が気に入ったところの引用紹介はいたしませんが、後日改めてご紹介いたします。
『孤蝶の城』、おすすめです。
芸能界のパイオニアにして伝説(レジェンド)。その孤高の闘いを描く怒濤の長篇小説。モロッコで秀男はカニーバル真子の「最後の仕上げ」となる手術を受け、日本で初めて「女の体」を手に入れた。帰国後、好奇と蔑みの目、喝采と屈辱を浴び、歌手、地方興行、映画出演などで話題を振りまきつつ、やがて追い詰められていく。小説でしか描けなかった実在の「生きる伝説」の孤独と苦悶に迫る大傑作。
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