女装子愛好クラブ

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女装妻としてフルムーン旅行①

2024年08月30日 | ★女装体験記
1992年の『くいーん』編集部はエッジの効いた企画を立てましたね。
熟女装子さん&女装子愛好熟年男性のカップルお二人にそれぞれ旅行記を書かせるのですから。
前回は時雄さんの旅行記をご紹介しました。
今回は女装妻の由貴さんです。


愛のプレリュード  由貴”恵”
 『梅雨には紫陽花が良く似合います。そしてたぶん由貴様はこの花がお好きなのではないかと想像しております』
 少し気障なセリフと『自称オバタリアンで結構。普段着の貴女様で御交際下さい』正気なセリフ。アンバランスの魅力を持った一通の回送の手紙。クィーン誌を通して私の事一挙手一投足、事細かに綴られていて心の中が見透かされているようで怖い。でもとっても嬉しい女心!そんな彼と知りあってもうどのくらいたったのかしら……。
    ♡   ♡
 新宿にあるMY喫茶店。緑色のノースリーブの胸に小さなバラの飾りとフレアースカート姿、女性セブンを読みながらお待ちしておりました。
 背の高い恰幅の良い紳士が目前を通りすがりにチラッと見ていった気がしましたが、その男は店から出て行ってしまいました。
 「たしか12時だったわよねえ!」と一人でぶつぶつ。彼の顔も判らないし、彼もまた私の事クィーン誌の写真でしか知らないし、一方通行の出会いの場。その時再び先程の紳士が私の方に近づいてきます。「失礼ですが由貴さんですか」「はい」「初めましてTです」「あら先程私の前を通りましたわよね」「たしか茶色のスーツ姿と御返事に書いてあったものですから」あっ! たしかその事書いた記憶がありましたが、今日は暖かくついノースリーブ姿で来てしまいました。いつものドジ由貴らしいわ「どうもすいません。」

 こんな会話から始まった初デート。
 クィーン誌、風俗奇譚等、今昔の女装談議に尽きぬおしゃべり。初めての出会いにもかかわらず意気投合。話しは尽きません。時折上下するコーヒーを飲む手がこきざみに震えています。
 あらっ?この男純情なんだ!
 この男なら永くお付き合いできると直感しました。

 何回目のデートの時だったかしら「由貴さん旅行に行けるかも」「本当! 嬉しいわ」
 なかなか手もにぎってくれない彼に淋しい気もしていた矢先でしたからとっても心がときめきます。
 その日の散策はいつもより親密さを加えて、腕をしっかりとからませて彼のその横顔をみながら幸せ一杯の溜息が声もなくでます。少し高めのヒールをはいても釣合いがとれるし、どのようなカップルとして行き交う人達には見えるのかしら!
  『くいーん』1992年2月号


>なかなか手もにぎってくれない彼に淋しい気もしていた矢先でしたからとっても心がときめきます。
時雄さんも純情だったのですね。
そこに由貴さんが惚れたのかもしれませんが、押すところは押さないといけません.....。

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