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休養中に古い本を整理していました。
私が女装子さん界隈に興味を持つようになったきっかけが『シーメール・レッスン』でした。
1994年に刊行されたこの本、バイセクシュアルの松本富雄さんが自己の体験を語りつくしたものです。特に女装子さんとの交接はこれまで活字になることはありませんでしたから、大学生の私にとっては新鮮でした。
今日は、エリザベス会館で見つけた美少女をナンパして、モノにしたところを紹介します。
ぼくは『エリザベス会館』で、ケイちゃんがあまりにも可愛いので、引っかけちゃった。これは〈美女の法則〉。
ただし、『エリザベス会館』は健全な店なのだ。セックス・パートナーを探すという雰囲気ではない。たった三回の取材なのでなんとも言えないが、表面上はそう見える。でも『彼女たち』の秘めたる欲望はわかっている。女装者全部がそうだと主張するわけではないが、『くいーん』に掲載された彼女たちの文例を見よ。だから、可愛いケイちゃんにアプローチした。
どうやったかというと、「きみにはもっと訊きたいことがあるから、よかったら電話しておいでよ」と名刺を渡した。これは《ポジションの公理》。
ぼくは名刺にちょっとした細工をしている。最近では、裏側に「親切は愛に勝つ!」と印刷した。ときどきその裏側を表にして名刺交換する。
「うん?」
これは《意表の原則》。
果報は寝て待て。果たして電話がありた。その日の夕方、新宿で待ち合わせた。居酒屋へ誘った。ちゃんと計算があった。
ケイちゃんは素顔だった。でも学生の分際で女性ホルモンを飲んでいた彼は、女の子だったり美少年だったりしていた。
けっこうビールを飲むのだ。
お母さんのようになりたいと、小さいころに思った。なんで自分が女の子じゃないんだと悩んだ。高三のときにポルノショップで、『くいーん』を知った。受験に成功して上京した。憧れの『エリザベス会館』の前を行ったり来たりした。ドキドキしていた。ある日、『エリザベス』に入店した。でも、女装品売場でその種のグッズを買っただけで、出てきてしまった。女装サロンに登頂するまで、二年近くかかった。
そんなことを、ビールをついでやりながら、女の子の美少年から訊き出した。
「と、いうことは、女の子になりたいということは、たとえばお嫁さんになって、だれかに愛されたいということ?」
「結婚して、子供を産みたい」
母親に憧れていたせいか、ビールで酔っ払ったせいか、ケイちゃんはあらぬ言葉を口走った。
そりゃ無理だ。
「おもしろい店があるんだけど、行ってみない?社会見学にもなるよ]
「どんな店?」
「SMバー」
男の子の美少女のきれいな顔に、ポッと恥じらいの表情が一瞬浮かんだ。その手の観察力には自信がある。過当競争のコンピュータ業界で十数年生き抜いてきた元・営業マンは、自然に鋭敏になる。だって、営業は一面、お客と競合他社との心理戦である。
それに”彼女”との実戦や『くいーん』のメッセージ欄や写真から、シーメールたちの中にはマゾヒスティックな欲望を持っている子がわりと多いことを悟っていた。
「べつに怖くなんかないよ。見てるだけだっていいんだ」
男の子の美少女は同行に同意した。それは同伴することと同類語だ。同室するというサインだ。同じ裸になって、同体でベッドに倒れ込んでしまう。たまに物言いがつく。
行司差し違いにより、貴ノ花の勝ちとします。
わあ!! 座ぶとん乱舞。
出所『シーメール・レッスン』松本富雄著 情報センター出版局 1994年
私が女装子さん界隈に興味を持つようになったきっかけが『シーメール・レッスン』でした。
1994年に刊行されたこの本、バイセクシュアルの松本富雄さんが自己の体験を語りつくしたものです。特に女装子さんとの交接はこれまで活字になることはありませんでしたから、大学生の私にとっては新鮮でした。
今日は、エリザベス会館で見つけた美少女をナンパして、モノにしたところを紹介します。
ぼくは『エリザベス会館』で、ケイちゃんがあまりにも可愛いので、引っかけちゃった。これは〈美女の法則〉。
ただし、『エリザベス会館』は健全な店なのだ。セックス・パートナーを探すという雰囲気ではない。たった三回の取材なのでなんとも言えないが、表面上はそう見える。でも『彼女たち』の秘めたる欲望はわかっている。女装者全部がそうだと主張するわけではないが、『くいーん』に掲載された彼女たちの文例を見よ。だから、可愛いケイちゃんにアプローチした。
どうやったかというと、「きみにはもっと訊きたいことがあるから、よかったら電話しておいでよ」と名刺を渡した。これは《ポジションの公理》。
ぼくは名刺にちょっとした細工をしている。最近では、裏側に「親切は愛に勝つ!」と印刷した。ときどきその裏側を表にして名刺交換する。
「うん?」
これは《意表の原則》。
果報は寝て待て。果たして電話がありた。その日の夕方、新宿で待ち合わせた。居酒屋へ誘った。ちゃんと計算があった。
ケイちゃんは素顔だった。でも学生の分際で女性ホルモンを飲んでいた彼は、女の子だったり美少年だったりしていた。
けっこうビールを飲むのだ。
お母さんのようになりたいと、小さいころに思った。なんで自分が女の子じゃないんだと悩んだ。高三のときにポルノショップで、『くいーん』を知った。受験に成功して上京した。憧れの『エリザベス会館』の前を行ったり来たりした。ドキドキしていた。ある日、『エリザベス』に入店した。でも、女装品売場でその種のグッズを買っただけで、出てきてしまった。女装サロンに登頂するまで、二年近くかかった。
そんなことを、ビールをついでやりながら、女の子の美少年から訊き出した。
「と、いうことは、女の子になりたいということは、たとえばお嫁さんになって、だれかに愛されたいということ?」
「結婚して、子供を産みたい」
母親に憧れていたせいか、ビールで酔っ払ったせいか、ケイちゃんはあらぬ言葉を口走った。
そりゃ無理だ。
「おもしろい店があるんだけど、行ってみない?社会見学にもなるよ]
「どんな店?」
「SMバー」
男の子の美少女のきれいな顔に、ポッと恥じらいの表情が一瞬浮かんだ。その手の観察力には自信がある。過当競争のコンピュータ業界で十数年生き抜いてきた元・営業マンは、自然に鋭敏になる。だって、営業は一面、お客と競合他社との心理戦である。
それに”彼女”との実戦や『くいーん』のメッセージ欄や写真から、シーメールたちの中にはマゾヒスティックな欲望を持っている子がわりと多いことを悟っていた。
「べつに怖くなんかないよ。見てるだけだっていいんだ」
男の子の美少女は同行に同意した。それは同伴することと同類語だ。同室するというサインだ。同じ裸になって、同体でベッドに倒れ込んでしまう。たまに物言いがつく。
行司差し違いにより、貴ノ花の勝ちとします。
わあ!! 座ぶとん乱舞。
出所『シーメール・レッスン』松本富雄著 情報センター出版局 1994年
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